エヌビディアなどが,ヘルスケアAI企業21社参加イベントを開催
2024-1-5
エヌビディア,マクニカ,三菱地所による
ヘルスケアAIのイベント
エヌビディア(同)と(株)マクニカ,三菱地所(株)の3社は2023年12月15日(金),新丸ビルコンファレンススクエア(東京都千代田区)において,「AI Innovation Connect:ビジョンと共感−ヘルスケアの未来を拓く−」を開催した。このイベントは,医療や創薬などヘルスケア分野における人工知能(AI)技術を開発・提供する企業のプレゼンテーションを通して,将来を展望する機会として設けられた。プレゼンテーションには,主催する3社のほかに,国内外のヘルスケアAI企業を含め21社が参加した。
まずエヌビディア,マクニカ,三菱地所のプレゼンテーションが行われた。このうちエヌビディアのプレゼンテーションでは,山田泰永氏(ヘルスケア開発者支援)が,「ヘルスケア・ライフサイエンスAIの進展とGPUによる貢献」と題して,現在のAIブームを牽引する同社のGPU製品,大規模言語モデルや生成AI開発のプラットフォーム「NVIDIA NeMo」を紹介。さらに,ヘルスケア・ライフサイエンス向けアプリケーションフレームワークとして,医用画像用の「MONAI」や医療機器開発用の「Holoscan」などを説明した。また,マクニカのプレゼンテーションでは,北島佑樹氏(クラビスカンパニー部長)と清水宏司氏(DXコンサルティング統括部部長)が登壇。エヌビディアのプラットフォーム導入検討者向けに提供するサポートプログラム「AI TRY NOW PROGRAM」を紹介した。
ヘルスケアAI企業のプレゼンテーションでは,エルピクセル(株)の加藤祐樹氏(サイエンスビジネス本部GM)が,医用画像AI「EIRL」シリーズの解説など同社のビジネス展開について解説した。EIRLシリーズは,脳動脈瘤が疑われる部位を検出する「EIRL aneurysm」や胸部X線画像から肺結節候補をマーキングする「EIRL X-Ray Lung nodule」などがあり,国内で550施設以上の導入実績を有する。加藤氏は,これらを説明したほか,創薬支援AIとして研究を進めている「IMACEL」を紹介した。
また,(株)ひょうご粒子線メディカルサポートからは,原田秀一氏(支援企画課)が,MONAIを使用して開発した放射線治療計画支援プログラム「Ai-Seg」について発表した。Ai-Segは,2023年9月28日に放射線治療計画支援プログラムとして国内で2件目となる薬機法の承認を取得している。原田氏は,放射線治療の課題を説明した上で,Ai-Segの開発経緯を紹介。従来時間を要していたCT画像から照射する臓器の輪郭を自動的に作成して治療計画を大幅に効率化し,課題を解決すると述べた。さらに,時間短縮を図れることで,即時適応放射線治療(adaptive radiation therapy:ART)が可能となったと解説した。
放射線診療に関連するAIを手がける企業としては,プラスマン(同)のプレゼンテーションも行われた。中村優介氏(業務執行社員)は,胸部CT画像から肺結節を検出する「Plus.Lung.Nodule」など,同社のAI技術を説明。さらに,今後は患者の予後改善につながるソフトウエアを提供していきたいと述べ,現在開発を進めているパーキンソン病診断や膵臓がんの早期に検出する技術,MR fingerprinting (MRF)画像からアミロイドPET画像を生成する技術を紹介した。
今回のイベントでは,AI企業21社のうち19社の展示ブースが設けられ,休憩時間には各社が技術を紹介するなど,出席者とのコミュニーケーションを図る機会となった。また,すべてのプログラム終了後には参加企業と来場者とのネットワーキングが行われ,大いに盛り上がりを見せた。
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エヌビディア(同)
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