GEヘルスケア・ジャパン,携帯型超音波診断装置の最新機種「ポケットエコー Vscan Air SL」を発売し記者発表会を開催
2023-10-3
新製品「ポケットエコー Vscan Air SL」を
紹介する代表取締役社長兼CEOの若林正基 氏
GEヘルスケア・ジャパン(株)は,「ポケットエコー Vscan Air SL」を発売した。同製品は,2010年に発売されたポケットサイズの携帯型超音波診断装置「Vscan」シリーズの新製品で,独自開発したXDclearプローブ技術をシリーズで初めて採用,同社の据え置き型上位機種の技術を手のひらサイズで活用できる。また,パルスドプラとMモードにより循環器検査への対応も可能になり,心疾患の早期発見や在宅医療によりいっそう貢献する。2023年9月28日(木)には,製品を披露する記者発表会や在宅医療をテーマにしたパネルディスカッションが渋谷ストリームホール(東京都渋谷区)で開催された。
同社は早期から超音波診断装置の小型化に取り組み,2010年に初のポケットサイズ装置「Vscan」を発売。その後,Vscanシリーズとして,2014年にデュアルプローブの「Vscan Dual Probe」,2017年により軽量化し新たなアプリケーションを搭載した「Vscan Extend」,2021年には大幅に画質を向上させ,ワイヤレス化や堅牢性を強化した「Vscan Air CL」をリリースし,絶えず技術開発を行ってきた。今回発売されたVscan Air SLは,セクタ探触子に同社が独自開発したXDclearプローブ技術をシリーズで初めて採用。単結晶技術(single crystal)によりS/N比や分解能,ペネトレーションが向上し,広帯域かつ高感度なプローブの設計が可能となった。また,12MHzのリニア探触子は高分解能な描出が求められる表在検査に対応するほか,Bモードとカラーフローモードに加えてパルスドプラとMモードの機能を新たに搭載,多角的な検査を実現する。
記者発表会は,第1部「ポケットエコー Vscan Air SL」新製品記者発表会と第2部パネルディスカッション「自宅はやがて,診察室になるのか?」の2部構成で行われた。第1部では,GEヘルスケア・ジャパン代表取締役社長兼CEOの若林正基氏,執行役員・超音波本部長の大成学志氏の挨拶に続き,沖縄県の宮古島で離島僻地医療を行っている医療法人鳥伝白川会理事長/ドクターゴン診療所院長の泰川恵吾氏が,僻地の訪問医療の現状について解説した。同社のポケットエコーを開発当初から使用している泰川氏は,装置の小型化が地域医療やその支えとなる在宅医療に与える恩恵を指摘し,今後は看護師などの医療従事者も装置や技術のイノベーションを活用することが求められ,そのためには使いやすい機器の開発や教育の拡充が重要であるとした。
続いて,同社超音波本部Primary Care部の麻生 光氏がVscan Air SLの位置づけや特長について説明した。麻生氏は,デュアルプローブによる対象領域の拡大やスマートフォンとの連動といったVscanシリーズの進化を受け継いだVscan Air SLは,XDclearプローブ技術の採用により上位機種の機能を小型化した革新的な装置であると位置付けた上で,心疾患患者が増加する中,パルスドプラとMモード搭載することで在宅医療において循環器疾患のモニタリングや早期発見が可能になることは意義があるとした。また,同社が従来より目標として掲げる「医師1人に1台のVscan」の実現をめざしていきたいと述べた。
第2部では,大成氏,泰川氏に加え,厚生労働省で医薬・生活衛生局長や医政局長を歴任したボストンコンサルティンググループ シニア・アドバイザーの武田俊彦氏,介護福祉士,理学療法士,看護師などの資格を持つソフィアメディ(株)最高執行責任者の羽田真博氏,特別ゲストとして関根 勤氏,榊原郁恵氏が登壇した。少子高齢化に伴う「2040年問題」の到来を前に,在宅医療の重要性がますます高まる中,テクノロジーの進化やタスクシフトなどによる医療提供体制の維持について患者や患者家族,医師,官民の在宅医療関係者の立場からさまざまな意見が述べられた。
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