富士フイルムメディカル,「第2回慢性便秘エコー研究会」にて便秘エコーの読影支援AIに関するシンポジウムを開催

2023-1-20

富士フイルム

超音波(US)

AI(人工知能)


第2回慢性便秘エコー研究会

「第2回慢性便秘エコー研究会」が2022年12月17日(土),「チーム医療としての便秘エコー」をテーマに富士フイルム本社(東京ミッドタウン・ウエスト:東京都港区)およびWeb配信のハイブリッドで開催された。特別演題,一般演題,教育講演などに続き,富士フイルムメディカル(株)共催のシンポジウム1「便秘エコー普及のための教育とAIによる読影支援」が行われた。医療法人恵仁会 松島病院理事長・総院長の松島 誠氏と藤田医科大学研究推進本部社会実装看護創成研究センター教授の村山陵子氏が座長を務め,2名の演者が講演した。

はじめに,石川県立看護大学看護学部の松本 勝氏が,「看護師がフィジカルアセスメントに用いるエコーの教育プログラム開発とAI支援」と題して講演した。認知機能の低下した高齢者の排便ケアにおいては,症状の把握やケアが適切かどうかの判断が難しく,また,問診や視触診といった従来のフィジカルアセスメントでは体内の現象を視覚化できないという限界がある。そこで近年,携帯型超音波診断装置が便秘の可視化(便秘エコー)を目的に用いられるようになってきた。松本氏は,便秘エコーに関連した研究や取り組みの成果として,観察手順の標準化や教育プログラムの開発を行ったことなどを紹介。その上で,富士フイルム社との共同研究により,エコー撮像時にカメラで走査部位を撮影することでカメラ画像をボディマークの代わりとする「マルチビュー機能」(2021年10月発売のワイヤレス超音波画像診断装置「iViz air Ver.4」に搭載)や,人工知能(AI)技術を応用し直腸の便貯留の有無の判別をアシストする「直腸観察ガイドPlus」(2022年12月発売の「iViz air Ver.5」に搭載)の開発に至ったことなどを報告した。

次に,横浜市立大学附属病院内視鏡センターの三澤 昇氏が,「AIによるエコー画像読影支援を利用した便秘診療」と題して講演した。まず,CTと比較したエコーの利点として,放射線被ばくすることなく直腸内に貯留した硬便や排便後の空虚な直腸をリアルタイムに評価可能であることを挙げた。また,直腸内の便の有無や性状の評価について検討した結果,エコーとCTは高い一致率を示したと述べた。その上で,iViz air Ver.5と直腸観察ガイドPlusの使用経験について,実際の動画を提示して紹介。AIを応用した直腸観察ガイドPlusでは,硬便や空虚な直腸を明確に追跡し判定可能であるとし,その利点として,エコーの未習熟者でも自信を持って検査を行えること,従来は評価困難であった症例でも評価できる可能性があること,最適な治療につなげられることを挙げた。

 

●問い合わせ先
第2回慢性便秘エコー研究会事務局
Email [email protected]

富士フイルム

超音波(US)

AI(人工知能)


TOP