キヤノンメディカルシステムズ,「画論 30th The Best Image」をリアル会場とオンラインのハイブリッドで開催

2022-12-23

キヤノンメディカルシステムズ


3年ぶりにリアルでの開催となった画論 30th The Best Image

3年ぶりにリアルでの開催となった
画論 30th The Best Image

キヤノンメディカルシステムズ(株)は,「画論 30th The Best Image」を2022年12月18日(日)に開催した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの影響で2020年と2021年はオンライン開催だったが,30回目を迎えた今回は,東京国際フォーラム(東京都千代田区)での最終審査および発表式とオンラインのハイブリッドでの開催となった。

画論は,1993年に東芝メディカルシステムズ(当時)のユーザーによる臨床価値の高い画像に対する表彰とそれを巡るディスカッション,臨床に役立つ最新技術の共有などを目的にスタートした。これまでの30回の画論では,優秀な画像を選定するThe Best Imageだけでなく,斯界の第一人者による特別講演や製品展示会などさまざまなイベントが企画され,また,ユーザーや医療関係者の交流を目的に東京以外にも兵庫県の淡路島や滋賀県大津などさまざまな会場で行われてきた。この2年間はオンラインでの開催となっていたが,今回は東京国際フォーラムに関係者が集合し,CT,MR,超音波の3会場で最終審査となるプレゼンテーションとディスカッションが行われるなど,かつての熱気を取り戻した。

最終審査のディスカッションの様子(超音波部門)

最終審査のディスカッションの様子(超音波部門)

 

発表式では最優秀賞施設に瀧口社長から記念品が授与された。

発表式では最優秀賞施設に瀧口社長から記念品が授与された。

 

画論30thの発表式で挨拶に立った同社代表取締役社長の瀧口登志夫氏は,「3年ぶりにフィジカルな会場で開催できたのは,臨床の最前線で感染拡大と闘いながら通常の診療を守り続けている医療従事者の方々のおかげだと深く感謝したい。われわれキヤノンメディカルシステムズの活動は,診療ニーズを的確につかんで高度な技術力で製品やサービスとして提供し,そのフィードバックを次の製品開発に生かすというサイクルがベースにある。画論は,このサイクルの中核となるイベントであり,この場で披露される知見やアイデアを共有しユーザーの皆さまと共創する場としての30年間であった。今回,特別企画として画像診断の将来を担う先生方を対象にした『Young Innovator Award(画論 YIA)』を設けたが,より良い未来の医療を実現するため,われわれもフォトンカウンティングCTや人工知能(AI)技術を活用した開発などに積極的に取り組んでいきたい」と述べた。

挨拶する瀧口登志夫氏

挨拶する瀧口登志夫氏

 

特別講演は,国立病院機構大阪刀根山医療センター呼吸器外科・院長の奥村明之進氏による「画像解析の進歩と呼吸器疾患診療への応用」と順天堂大学医学部附属順天堂医院心臓血管外科特任教授の天野 篤氏による「画論30th 私の冠動脈バイパス術とそのこだわり」の2題。事前収録した映像が会場とオンラインで流された。
奥村氏は,呼吸器疾患のうち,肺がん,縦隔疾患,びまん性肺疾患,肺移植について外科治療の進歩と画像診断技術が果たした役割について概説した。肺腫瘍や縦隔腫瘍が小さいサイズで発見できるようになったことで,鏡視下手術など手術の低侵襲化が進んだ。さらに3D画像によって手術シミュレーションが可能になり,手術の安全性が向上しており,肺がんの5年生存率など治療成績の向上につながっていることを評価した。
天野氏は自身が取り組んできた冠動脈バイパス術について,その変遷を振り返り,術式の進化と併せてCine Angio,心臓超音波,CT,MRIなど画像診断機器が果たした役割を講演した。手技のこだわりの一つとして,脳血管疾患の合併症を防ぐため,心拍動下バイパス術での左心耳閉鎖術を行うことで遠隔期の脳梗塞の発生を抑えられていることを紹介した。天野氏は,画像診断機器の進歩によって検査時間が短縮し,手術計画や結果の予測が立てやすくなったことで治療成績の向上につながっており,新しい装置の開発が安全な治療の展開に貢献していることから,今後のさらなる発展に期待したいと述べた。
また,会場のみのイベントとして,東京オリンピック卓球競技混合ダブルス金メダリストの水谷 隼氏によるスペシャルトークセッションが行われた。キヤノンメディカルシステムズ卓球部の監督,キャプテンを交えて,オリンピックに臨む心境や試合に向けた準備など,トップアスリートとしての心構えや取り組みを会場と共有した。

奥村明之進 氏(大阪刀根山医療センター)

奥村明之進 氏(大阪刀根山医療センター)

 

天野 篤 氏(順天堂大学)

天野 篤 氏(順天堂大学)

 

特別企画では東京オリンピック金メダリスト・水谷隼さんが登場

特別企画では東京オリンピック金メダリスト・
水谷隼さんが登場

 

30回目のThe Best Imageには520件の応募があり,そのうち44件が入賞した。特別講演後には発表式が行われ,CT,MR,超音波の各部門で審査員による各賞の発表と,瀧口社長から記念品の授与が行われた。各賞の受賞施設は以下の通り。

CT部門審査員。右から粟井和夫 氏(広島大学),平井俊範 氏(熊本大学),吉岡邦浩 氏(岩手医科大学),陣崎雅弘 氏(慶應義塾大学),辻岡勝美 氏(藤田医科大学),中屋良宏 氏(東洋公衆衛生学院),山口隆義 氏(華岡青洲記念病院)

CT部門審査員。右から粟井和夫 氏(広島大学),平井俊範 氏(熊本大学),吉岡邦浩 氏(岩手医科大学),陣崎雅弘 氏(慶應義塾大学),辻岡勝美 氏(藤田医科大学),中屋良宏 氏(東洋公衆衛生学院),山口隆義 氏(華岡青洲記念病院)

 

MR部門審査員。右から阿部 修 氏(東京大学),伊東克能 氏(山口大学),横山健一 氏(杏林大学),小野 敦 氏(川崎医療福祉大学),佐藤秀二 氏(順天堂大学),和田博文 氏(済生会熊本病院)

MR部門審査員。右から阿部 修 氏(東京大学),伊東克能 氏(山口大学),横山健一 氏(杏林大学),小野 敦 氏(川崎医療福祉大学),佐藤秀二 氏(順天堂大学),和田博文 氏(済生会熊本病院)

 

超音波部門審査員。右から松尾 汎 氏(松尾クリニック/藤田医科大学),濵口浩敏 氏(北播磨総合医療センター),伊藤 浩 氏(岡山大学),瀬尾由広 氏(名古屋市立大学),畠 二郎 氏(川崎医科大学),岡庭信司 氏(飯田市立病院),小川眞広 氏(日本大学),平井都始子 氏(奈良県立医科大学附属病院),何森亜由美 氏(高松平和病院)

超音波部門審査員。右から松尾 汎 氏(松尾クリニック/藤田医科大学),濵口浩敏 氏(北播磨総合医療センター),伊藤 浩 氏(岡山大学),瀬尾由広 氏(名古屋市立大学),畠 二郎 氏(川崎医科大学),岡庭信司 氏(飯田市立病院),小川眞広 氏(日本大学),平井都始子 氏(奈良県立医科大学附属病院),何森亜由美 氏(高松平和病院)

 

【受賞施設】

〈CT部門〉

●1~160列部門

【最優秀賞】
藤田医科大学病院
「難治性てんかん」

【テクニカル賞】
札幌医科大学附属病院
「横行結腸癌」

【優秀賞】
足利赤十字病院
「自家組織による乳房再建術シミュレーション」

●1~160列(心血管)部門

【優秀賞】
鹿児島県立大島病院
「心サルコイドーシス疑い」
一般財団法人 平成紫川会 小倉記念病院
「クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群」

●Aquilion ONE部門

【最優秀賞】
浜松医科大学医学部附属病院
「重症下肢虚血(CLI)」

【テクニカル賞】
浜松医科大学医学部附属病院
「重症下肢虚血(CLI)」
順天堂大学医学部附属順天堂医院
「肝門部胆管癌術後の包括的肝臓CT検査」

【Young Innovator Award (画論YIA)】
順天堂大学医学部附属順天堂医院
「慢性血栓塞栓性肺高血圧症」

【優秀賞】
杏林大学医学部付属病院
「4D-CTAで流入動脈を同定し,治療に貢献できた硬膜動静脈瘻の1症例」
社会福祉法人 函館厚生院 函館五稜郭病院
「化膿性胸鎖関節炎」

●Aquilion ONE(心血管)部門

【最優秀賞】
磐田市立総合病院
「心電図非同期再構成により冠動脈 stent 内評価が可能となった症例」

【テクニカル賞】
地方独立行政法人 広島市立病院機構 広島市立北部医療センター安佐市民病院
「TEVAR術後のSINE (Stent graft induced new entry)評価」

【Young Innovator Award (画論YIA)】
群馬県立心臓血管センター
「側副血行路が交通した肋間動脈から分岐した Adamkiewicz動脈」

【優秀賞】
公立陶生病院
「高体重自由呼吸下冠動脈CTA」

●Aquilion Precision部門

【最優秀賞】
東北大学病院
「大動脈解離に対する胸腹部置換術」

【テクニカル賞】
東北大学病院
「大動脈解離に対する胸腹部置換術」

【Young Innovator Award (画論YIA)】
藤田医科大学病院
「右IC-PC動脈瘤、右IC-SHA動脈瘤」

【優秀賞】
杏林大学医学部付属病院
「ひだり聴神経腫瘍再発」
一般財団法人 大原記念財団 大原綜合病院
「超低線量撮影での胸部結節 follow up CT」

〈MR部門〉

●1.5テスラ以下(脳神経)部門

【最優秀賞】
頭とからだのクリニック かねなか脳神経外科
「右椎骨動脈解離疑い(Multi slice T2WI 3D-BPAS)」

【優秀賞】
自治医科大学附属さいたま医療センター
「左先天性真珠腫術後」

●1.5テスラ以下部門

【最優秀賞】
社会福祉法人恩賜財団済生会 支部千葉県済生会 千葉県済生会習志野病院
「ステロイド関連性大腿骨頭壊死症」

【テクニカル賞】
医療法人顕正会 蓮田病院
「腎被膜動脈」

【Young Innovator Award (画論YIA)】
医療法人友紘会 友紘会総合病院
「前立腺癌(small FOV-DWI)」
社会福祉法人 恩賜財団 大阪府済生会茨木医療福祉センター 大阪府済生会茨木病院
「関節唇損傷」
軽井沢町国民健康保険軽井沢病院
「MRIによる疑似頸椎ミエログラフィCT」
社会福祉法人恩賜財団済生会 支部千葉県済生会 千葉県済生会習志野病院
「下肢むくみ精査」

【優秀賞】
社会福祉法人 三井記念病院
「冠動脈MRAから冠動脈カテーテルへ繋げる画像支援」

●3テスラ(脳神経)部門

【最優秀賞】
杏林大学医学部付属病院
「右内頚動脈巨大動脈瘤」

●Young Innovator Award (画論YIA)
順天堂大学医学部附属順天堂医院
「脳動静脈奇形」

●3テスラ部門

【最優秀賞】
順天堂大学医学部附属 順天堂東京江東高齢者医療センター
「2D MPRによる子宮頸癌のステージング評価」

【優秀賞】
社会医療法人共愛会 戸畑共立病院
「前立腺癌」

【Clinical Update賞】
日本赤十字社鳥取赤十字病院
「左下肢 閉塞性動脈硬化症(ASO)」
順天堂大学医学部附属 順天堂東京江東高齢者医療センター
「高速UTE MRAを使用したTOFでは写らない左M1狭窄評価」

〈超音波部門〉

●血管部門

【最優秀賞】
東邦大学医療センター大森病院
「要注意プラーク」

●優秀賞
国立病院機構 大阪医療センター
「正中弓状靭帯圧迫症候群」
関西労災病院
「透析時の穿刺ミスによって形成された血腫が正中神経を圧迫していた自己血管内シャントの症例」    

●心臓部門

【最優秀賞】
岡山大学病院
「マルティモダリティーイメージングにより難治性浮腫の原因を同定しえた1.5心室修復手術後の三尖弁閉鎖症」

【Young Innovator Award (画論YIA)優秀賞】
姫路赤十字病院
「経過観察ができ、加えて、腫瘍組織のエコー性状を確認することができた小児心臓横紋筋腫の一例」

●腹部部門

【最優秀賞】
京都第二赤十字病院
「中腸軸捻転」

【Young Innovator Award (画論YIA)優秀賞】
順天堂大学医学部附属順天堂医院
「腹部超音波検査による早期診断により外科的介入を回避し得た孤発性小腸若年性ポリープの1例」
大阪掖済会病院
「腹部造影超音波検査で憩室出血を指摘し、超音波ガイド下で内視鏡止血術を行えた一例」

【優秀賞】
医療法人徳洲会 福岡徳洲会病院
「小腸アニサキス症」

●乳腺・甲状腺・表在部門

【最優秀賞】
川崎医科大学附属病院
「動静脈シャントを伴った手指の静脈奇形」

【Young Innovator Award (画論YIA) 優秀賞】
東京大学医学部附属病院
「基底細胞癌」

 

●問い合わせ先
「画論 ザ・ベストイメージ」事務局
メールアドレス:[email protected]
https://thebestimage.medical.canon/

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