東陽テクニカが「医療被ばく線量管理オンラインセミナー」を開催
2020-8-24
奥田保男氏による
Japan DRLs 2020の講演
(株)東陽テクニカは2020年7月4日(土),「医療被ばく線量管理オンラインセミナー」を開催した。2019年3月11日公布の「医療法施行規則の一部を改正する省令」が2020年4月1日から施行され,医療放射線の線量管理と記録が医療機関に義務づけられた。これにより,医療被ばく線量管理システムが普及し始めている。一方で,医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)が2015年6月に公表した「最新の国内実態調査結果に基づく診断参考レベルの設定」で示された日本の診断参考レベル(DRLs 2015)が改訂され,2020年7月3日に「日本の診断参考レベル(2020 年版)National diagnostic reference levels in Japan(2020)-Japan DRLs 2020-」が公表された。本セミナーのプログラムは,このJapan DRLs 2020についての解説のほか,医療被ばく線量管理システムの導入事例報告として同社が販売する「DOSE」(開発元:Qaelum社)の紹介とユーザーによる講演で構成された。
最初に,「線量管理とDRLs 2020」と題して,Japan DRLs 2020の策定にかかわった奥田保男氏(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構情報基盤部部長)が講演した。奥田氏は,医療放射線の安全管理に関する基本的な考え方などを概説した。その上で,Japan DRLs 2020では診断透視のDRLが新たに設けられたことや,小児CTのDRLにおいて年齢別に加えて体重別での区分が行われたことなどを説明したほか,各DRLについて解説した。
次いで行われた「線量管理システム『DOSE』のご紹介」では,同社の清水貴裕氏が,DOSEの操作や機能などの特徴を説明した。清水氏は,“CTポジショニング評価”といった検査の分析機能や被検者からの相談対応に有効な実効線量への自動変換機能,撮影装置の品質管理に役立つ“ログブック”機能,撮影装置の稼働状況を分析できる“ワークロード解析”などを紹介した。
続いて,DOSEのユーザーである佐々木 健氏(医療法人社団愛友会上尾中央総合病院放射線技術科係長)が,「線量管理システムに必要な3つのこと」をテーマに講演した。佐々木氏は,「ヒト」「モノ」「カネ」の観点から医療被ばく線量管理システム導入や運用のポイント,減価償却の考え方,診療報酬でのメリットを解説。まとめとして,(1)医療被ばく線量管理システムの必要性とシステム選定理由を明確にすること,(2)誰がいつ何のために線量管理を行うかを明確にして,業務時間内に作業を終える環境づくりをすること,(3)医療・経営両面からの損益分岐点を探る,ことが重要だとして講演を締めくくった。
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株式会社東陽テクニカ
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