日本マイクロソフトがDX推進策として「ヘルスケア リファレンス アーキテクチャー」を提供

2020-7-13

ヘルスケアIT


ヘルスケア分野のDX推進のため日本マイクロソフトとTISが連携

ヘルスケア分野のDX推進のため
日本マイクロソフトとTISが連携

日本マイクロソフト(株)は,ヘルスケア分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためにTIS(株)と連携し,「ヘルスケア リファレンス アーキテクチャー」をシステムベンダーなどに提供する。2020年7月8日(水),プレスラウンドテーブルをオンラインで開催し,同社業務執行役員パブリックセクター事業本部医療・製薬営業統括本部長の大山訓弘氏がヘルスケア リファレンス アーキテクチャーの概要を発表した。

ヘルスケア リファレンス アーキテクチャーは,ヘルスケアサービス開発に必要となる要件などを定型化したもの。システムベンダー向けに,(1)業務ファンクション マップ,(2)アーキテクチャ マップ,(3)サンプルプログラムを用意する。業務ファンクション マップは,DXを促進するシステム構築に必要な機能要件をまとめた図版。また,アーキテクチャ マップは,機能要件・システム検証,データ構造の標準化実装・運用方法を確認できるマップで,3種類用意される。サンプルプログラムは,ソフトウエア開発のプラットフォームであるGitHub上に無償サンプルプログラムを公開してPHRサービスの開発を支援する。すでに,日本糖尿病学会などが作成した「生活習慣病コア項目セット集(第2版)」などを基にした糖尿病診療向けのプログラムが公開されている。システムベンダーは,ヘルスケア リファレンス アーキテクチャーの利用することにより,高いセキュリティを確保し標準規格を用いたシステムを,短期間かつ低コストで開発可能となる。

ヘルスケア リファレンス アーキテクチャーの内容構成

ヘルスケア リファレンス アーキテクチャーの内容構成

 

また,両社は「ヘルスケア リファレンス アーキテクチャー技術者育成プログラム」をオンラインなどで提供する。このプログラムでは,ヘルスケア リファレンス アーキテクチャーを理解し,その技術を活用できる技術者の育成を目的としており,2020年7月下旬の開始を予定している。
さらに,今回の提携では,「社会的課題解決に向けたヘルスケア エコシステムの活性化」も図るとしている。この実現のために,PHRの標準化,相互運用性の推進に取り組むとしており,標準規格であるHL7 FHIRの普及活動も展開するとしている。

プレスラウンドテーブルでは,このほかTISのサービス事業統括本部ヘルスケアビジネスユニット執行役員ジェネラルマネージャーの伊藤浩人氏が,ヘルスケア リファレンス アーキテクチャーとして提供される「PHR ROCテンプレート」などを解説した。また,ゲストとして,九州大学病院教授/メディカル・インフォメーションセンター長の中島直樹氏が講演を行った。中島氏は,PHRの現状について,IoTやウエアラブル端末などのセンサ技術の進歩によってデータが収集しやすくなった一方で,疾病ごとに収集するべきデータが異なるために生じる問題を指摘。相互運用性の確保の重要性に言及した。

中島氏の講演にもあったとおり,PHRの普及は相互運用性の確保がカギを握るだけに,多くのシステムベンダーがヘルスケア リファレンス アーキテクチャーを利用することが期待される。

 

●問い合わせ先
TIS株式会社
サービス事業統括本部
ヘルスケアビジネスユニット
ヘルスケアサービス企画営業部
PHR POCテンプレート担当
TEL 03-5337-4299
E-mail [email protected]

日本マイクロソフト株式会社
マイクロソフト カスタマーインフォメーションセンター
TEL 0120-41-6755

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