日本放射線腫瘍学会(JASTRO)が日本放射線腫瘍学会第32回学術大会に先立ちプレスカンファレンスを開催
2019-9-30
日本放射線腫瘍学会第32回大会の紹介スライド
日本放射線腫瘍学会(JASTRO)は,2019年9月25日(水),フクラシア八重洲(東京都中央区)にて,2019年11月21日(木)〜23日(土)に名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)にて開かれる日本放射線腫瘍学会第32回学術大会に先立ち,学術大会のハイライトとJASTROの活動を紹介するプレスカンファレンスを開催した。
プレスカンファレンスでは,理事長である慶應義塾大学医学部放射線科学教室の茂松直之氏が挨拶に立ち,がんと放射線治療の歴史と現状についてのほか,JASTROの活動について説明した。
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次に,日本放射線腫瘍学会第32回学術大会長である名古屋市立大学大学院医学研究科の芝本雄太氏が,学術大会のテーマと見所を紹介した。今回の学術大会のテーマは「切らずに治すがん治療──現時点での集大成と将来展望」。芝本氏は,今大会では,放射線治療単独だけではなく化学・免疫療法などとの組み合わせも含め,これまで蓄積した実績について発表し,ほかの治療と比較してどのようなメリットがあるかを検証する会にしたいと述べた。また,市民公開講座として11月22日に「切らずに治る放射線治療」,23日に「放射線治療最前線」を予定しており,広く一般の市民に対しても放射線治療をアピールしていきたいと抱負を語った。さらに,昨今見直されている低線量放射線の生体への影響に関して,放射線生物学からの視点に重点を置いた討論を行いたいとし,21日の午後にメイン会場において,「低線量放射線の影響について」をテーマに,Northern Ontario School of MedicineのBrant Ulsh氏と社会保障経済研究所の石川和男氏の特別講演やシンポジウムのほか,The University of Massachusetts AmherstのEdward Calabrese氏のビデオ講演を行う予定であることを紹介した。
その後,広報委員会委員長である東京大学医学部附属病院放射線治療部門の中川恵一氏が,がん患者の意識調査とJASTROの広報活動について説明した。中川氏は,ヘルスリテラシーについて国際比較した際に日本が最下位であることに触れ,これまでがん教育を受けることができなかった成人のがんに対するリテラシーを高める必要性を訴えた。また,バリアンメディカルシステムズ社と共同実施した意識調査の結果を供覧し,放射線治療という選択肢が国民に認知されていない現状について説明した。
最後に,緩和的放射線治療委員会委員長である埼玉医科大学総合医療センター放射線腫瘍科の高橋健夫氏より,「緩和的放射線治療の意義について」と題した講演が行われた。高橋氏は,痛みの緩和,身体症状の改善やQOL向上を目的とした放射線治療の実際について,適応や効果などから,そのメリットを紹介した。また,緩和的放射線治療が奏効した症例や,現在進行中の研究について供覧した。
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●問い合わせ先
公益社団法人日本放射線腫瘍学会事務局
TEL 03-3527-9971 FAX 03-3527-9973
https://www.jastro.or.jp/medicalpersonnel/
第32回学術大会 http://www.congre.co.jp/jastro2019/