静岡がんセンターなどが,静岡ファルマバレープロジェクトの最新の成果と新拠点整備を発表
2014-8-28
会場風景
静岡がんセンターや静岡県経済産業部商工業局新産業集積課,静岡県産業振興財団ファルマバレーセンターは,2014年8月26日(火),KITTE(東京都千代田区)にて,静岡ファルマバレープロジェクトに関する記者説明会を行った。静岡県では,製薬・医療機器工場や研究施設が集積する東部地域において,富士山麓先端健康産業集積プロジェクト(以下,ファルマバレープロジェクト)を推進しており,静岡がんセンターを核とした産業クラスタ形成を進め,地域の活性化を図っている。記者説明会では,ファルマバレープロジェクトの最新の成果と新拠点整備の狙いについて,3部構成で静岡がんセンターや企業の関係者が報告した。
まず,第1部として,企業と共同開発した2つの製品についての紹介があった。サンスター(株)と開発した看護師用ハンドクリーム「PRO’S CHOICEハンドクリーム」について,静岡がんセンター研究所の楠原正俊氏,サンスター研究員の堂元貴弘氏,静岡がんセンター皮膚科の清原祥夫氏,静岡がんセンター看護部の松見しのぶ氏から,開発の経緯や製品概要,看護現場での使用感が報告された。
続いて,富士フイルム(株)と共同開発した類似症例検索システム「Synapse Case Match」の肝臓がん症例追加について説明が行われた。
先に,富士フイルムメディカルシステム開発センターの久永隆治氏が開発の背景とシステムを紹介した。Synapse Case Matchは,静岡がんセンターと富士フイルムが共同開発をした,静岡がんセンターで蓄積されたデータベースを利用し,検査画像から類似症例画像が検索できるシステム。久永氏からは,2014年5月より対象症例に新たに肝臓がんが追加されたことが発表された。
次に,静岡がんセンター画像診断科の遠藤正浩氏が,画像診断医の立場から共同開発の経緯を説明した。遠藤氏は,肝臓がんは肺がんと違い,造影CTを用いる必要があり,これまでの特徴量解析だけでなく,造影パターン解析も必要とされるため,一歩進んだシステムとなったことを強調した。また,今後さらに対象疾患を増やしていきたいとの展望を示した。
最後に,静岡がんセンター肝胆膵外科の伊藤貴明氏が臨床医の立場からシステムの特徴を述べた。伊藤氏は,Synapse Case Matchでは入力画像に対して類似画像が検索されるといった逆引き的な使い方ができるため,専門医だけでなく研修医など,立場を問わず活用できるのではないかと期待を示した。
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第2部では「静岡がんセンターの最先端の遺伝子研究プロジェクト」と題し,静岡がんセンター研究所の楠原正俊氏が,現在進められているプロジェクトHOPE(High-tech Omics-based Patient Evaluation)の概要と目的について説明した。
最後に,第3部では「ファルマバレーの新拠点整備について」と題し,ファルマバレーの新拠点施設の概要を静岡県経済産業部商工業局新産業集積課水口秀樹氏が紹介した。また,その新拠点施設のリーディングパートナーゾーンに入居するテルモ(株)の赤池義明氏,地域企業開発生産ゾーンに入居する東海部品工業(株)盛田延之氏が,それぞれ入居の動機と今後の展望について語った。
●問い合わせ先
静岡県立静岡がんセンター マネジメントセンター 医療広報担当
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