東芝メディカルシステムズが「画論—The Best Image 2013」を開催

2013-12-19

キヤノンメディカルシステムズ


受賞画像発表・表彰式,特別講演が行われた第一会場

受賞画像発表・表彰式,特別講演が
行われた第一会場

東芝メディカルシステムズ(株)は2013年12月15日(日),東京国際フォーラム(東京都千代田区)において,「画論—The Best Image 2013」を開催した。画論は,1993年に,同社装置からつくり出された医療画像の臨床的な価値や撮影技術の高さを評価する場としてスタートした。21年目を迎えた今回は,CT,MR,超音波の3部門に,552件の応募があった。この中から,当日は一次,二次の審査を通過し最終選考に残った57件の審査が行われた。

午前中には,CT,MR,超音波の部門別に応募画像の発表を行う,ディスカッションが設けられた。CT部門は,1〜32列,64〜160列,64〜160列(心大血管),Aquilion ONE,Aquilion ONE(心大血管)の5部門に分けられ,23件の発表があった。また,MR部門は,14件の画像がエントリーされ,1.5テスラ以下と3テスラの2部門に分けて,応募施設の発表者が登壇した。なお,MR部門は,今回から審査委員が新たに3名加わり,テクニカル賞の選考も行われた。超音波部門は20件が最終選考に残り,血管,心臓,腹部,表在の4部門に分けて発表した。

超音波部門のディスカッションと特別講演が行われた第二会場

超音波部門のディスカッションと特別講演が
行われた第二会場

ディスカッション会場の様子(MRI)

ディスカッション会場の様子(MRI)

 

ディスカッション終了後,選考会場では,RSNA 2013のトピックスなどが紹介され,その後,CT,MR,超音波をテーマにした特別講演が設けられた。第一会場で行われた特別講演では,まずCTの講演として,「面検出器によるサブトラクション技術とメタルアーチファクト除去」をテーマに,フランス,Centre Hospitalier Universitaire de Nancyの教授であるAlain Blum氏が登壇した。座長は,藤田保健衛生大学医学部先端画像診断共同研究講座教授の片田和広氏が務めた。Blum氏は,東芝メディカルシステムズのArea Detector CT「Aquilion ONE ViSION/Edition」に新たに搭載されたサブトラクション技術について紹介し,MRIの脂肪抑制画像のようなサブトラクション画像が得られ,one stop shoppingの検査ができると述べた。さらに,Blum氏は,金属アーチファクトを軽減するアプリケーションである“SEMAR(Single Energy Metal Artifact Reduction)”の使用経験を報告。人工関節症例でSEMARを適応し,アーチファクトのない良好な画像を得られていると説明した。

座長:片田和広 氏(藤田保健衛生大学)

座長:片田和広 氏
(藤田保健衛生大学)

Alain Blum 氏(Centre Hospitalier Universitaire de Nancy)

Alain Blum 氏
(Centre Hospitalier Universitaire de Nancy)

 

続く,MRの特別講演では,杏林大学医学部放射線医学教室教授の似鳥俊明氏が座長を務め,「乳癌に負けない未来へ〜乳房MRIの有用性のご紹介〜」をテーマに,医療法人鉄蕉会亀田京橋クリニック診療部部長・画像センター長の戸﨑光宏氏が登壇した。戸﨑氏は,乳腺MRIの歴史を振り返り,2003年の“BI-RADS-MRI”作成などのトピックスを紹介。その上で,わが国における診療ガイドラインを取り上げ,BRCA1や2の遺伝子変異を有する女性に対しての乳房MRIスクリーニングの有用性を説明した。さらに,戸﨑氏は,MRIガイド下生検の導入状況などを紹介したほか,東芝メディカルシステムズのコイルや装置本体の特長を解説。亀田メディカルセンターで行っている検査の実際について述べた。

座長:似鳥俊明 氏(杏林大学)

座長:似鳥俊明 氏
(杏林大学)

戸﨑光宏 氏(亀田京橋クリニック)

戸﨑光宏 氏
(亀田京橋クリニック)

 

また,第二会場で行われた超音波の特別講演では,川崎医科大学検査診断学内視鏡超音波部門教授の畠 二郎氏を座長に,東あおば整形外科院長の高橋 周氏が「エコーが整形外科診療を変える」と題して講演した。高橋氏は整形外科領域における迅速な診療のために,これまで取り組んできた超音波診療について,五十肩,エコーガイド下インターベンション,足関節捻挫,運動器検診に分けて紹介。超音波検査は,軟部組織の損傷において,診断だけでなく診療のツールとしても有用であるとまとめた。

座長:畠 二郎 氏(川崎医科大学)

座長:畠 二郎 氏
(川崎医科大学)

高橋 周 氏(東あおば整形外科)

高橋 周 氏
(東あおば整形外科)

 

特別講演終了後,第一会場であるホールBでは,上位入賞画像の発表と表彰式が行われた。CT,MR,超音波の順に入賞画像の発表が行われ,代表取締役社長の綱川 智氏から受賞施設の代表者に表彰状と記念品が贈られた。また,各部門ごとに,審査員が総評を述べ,撮影方法の工夫など,回を重ねるごとにモダリティの進歩とともに,画像のレベルが高くなっていることが説明された。

すべての発表,表彰式を終えた後,壇上に上がった綱川氏は,2013年11月にCTの累計生産台数が3万台を超えたことや,トルコ,韓国などの海外事業展開の状況,RSNA 2013の展示などを取り上げ,ユーザーとともに発展していく同社の姿勢を強く訴えた。

綱川 智 氏(代表取締役社長)

綱川 智 氏
(代表取締役社長)

綱川氏から表彰状が贈呈

綱川氏から表彰状が贈呈

 

CT部門審査員。左から森山紀之 氏(東京ミッドタウンクリニック),片田和広 氏(藤田保健衛生大学),栗林幸夫 氏(慶應義塾大学),吉岡邦浩 氏(岩手医科大学),辻岡勝美 氏(藤田保健衛生大学),吉川秀司 氏(大阪医科大学附属病院),山口隆義 氏(北海道社会保険病院)

CT部門審査員。左から森山紀之 氏(東京ミッドタウンクリニック),片田和広 氏(藤田保健衛生大学),栗林幸夫 氏(慶應義塾大学),吉岡邦浩 氏(岩手医科大学),辻岡勝美 氏(藤田保健衛生大学),吉川秀司 氏(大阪医科大学附属病院),山口隆義 氏(北海道社会保険病院)

 

超音波部門審査員。左から吉川純一 氏(西宮渡辺心臓・血管センター),遠田栄一 氏(三井記念病院),松尾 汎 氏(松尾クリニック),平井都始子 氏(奈良県立医科大学),水口安則 氏(国立がん研究センター),金田 智 氏(東京都済生会中央病院),畠 二郎 氏(川崎医科大学)。竹中 克 氏(日本大学)は欠席

超音波部門審査員。左から吉川純一 氏(西宮渡辺心臓・血管センター),遠田栄一 氏(三井記念病院),松尾 汎 氏(松尾クリニック),平井都始子 氏(奈良県立医科大学),水口安則 氏(国立がん研究センター),金田 智 氏(東京都済生会中央病院),畠 二郎 氏(川崎医科大学)。竹中 克 氏(日本大学)は欠席

MR部門審査員。左から似鳥俊明 氏(杏林大学),大友 邦 氏(東京大学),扇 和之 氏(日本赤十字社医療センター),小林邦典 氏(杏林大学),川光秀昭 氏(神戸大学医学部附属病院),和田博文 氏(済生会熊本病院)

MR部門審査員。左から似鳥俊明 氏(杏林大学),大友 邦 氏(東京大学),扇 和之 氏(日本赤十字社医療センター),小林邦典 氏(杏林大学),川光秀昭 氏(神戸大学医学部附属病院),和田博文 氏(済生会熊本病院)

 

第一会場の入り口にはワークステーションの「Vitrea」や医療用裸眼3Dディスプレイ「HyperViewer」などを展示

第一会場の入り口にはワークステーションの「Vitrea」や医療用裸眼3Dディスプレイ「HyperViewer」などを展示

第二会場のあるD棟では,「Aplio 500」や「Xario 200」などを展示

第二会場のあるD棟では,
「Aplio 500」や「Xario 200」などを展示

 

【受賞施設】

〈CT部門〉

●1〜32列部門

【最優秀賞】
医療法人財団報徳会西湘病院
「左腕頭静脈閉塞疑い」

【優秀賞】
日本赤十字社長野赤十字病院
「インスリノーマ(insulinoma)」

●64〜160列部門

【最優秀賞】
銚子市立病院
「CTCで注意して画像作成した1症例」

【テクニカル賞】
公益財団法人豊田地域医療センター
「低線量肺がん検診(vHP利用による肩ヤスリ状アーチファクトと心臓周囲画像の時間分解能改善)」
JA岐阜厚生連揖斐厚生病院
「チルトヘリカル撮像が有用であった膵頭部がん」

【優秀賞】
社会福祉法人函館厚生院函館中央病院
「下肢静脈瘤(単純3DCT)」
独立行政法人国立がん研究センター中央病院
「子宮頸がん」
医療法人コジマ会ジャパン藤脳クリニック
「左内頚動脈狭窄症」
医療法人豊田会刈谷豊田総合病院
「希釈造影剤を用いた小児肺分画症の1例」
医療法人潤心会熊本セントラル病院
「右M1狭窄に対して,STA-MCA吻合術後」
一般財団法人厚生年金事業振興団九州厚生年金病院
「ガレン大静脈瘤疑い」

●64〜160列(心大血管)部門

【優秀賞】
公立陶生病院
「胸腺腫」

●Aquilion ONE部門

【最優秀賞】
群馬大学医学部附属病院
「左腎細胞癌」

【テクニカル賞/優秀賞】
社会福祉法人恩賜財団済生会松阪総合病院
「健常成人女性での言語音表出器官の四次元的観察」
社会医療法人共愛会戸畑共立病院
「壊死組織範囲評価CTA検査により足趾切断を免れた一例(degloving損傷)」

【優秀賞】
独立行政法人国立がん研究センター東病院
「右乳房上内側乳癌」
杏林大学医学部付属病院
「腰椎椎間板ヘルニア」

●Aquilion ONE(心大血管)部門

【最優秀賞】
北海道社会保険病院
「PTSMA術前のCTによる心筋焼灼planningと術直後における焼灼範囲評価」

【テクニカル賞】
北海道社会保険病院
「高度石灰化を伴う冠動脈に対する13秒間1回息止めsubtraction CTA」

【優秀賞】
国立大学法人北海道大学病院
「虚血性心疾患疑い」
岩手医科大学附属病院循環器医療センター
「修正大血管転位」
東京大学医学部附属病院
「大血管転位Jatene術後,肺動脈・冠動脈の同時評価」
平塚市民病院
「腹部大動脈瘤(AAA)に対するステントグラフト治療後 エンドリーク残存」

〈MR部門〉

●1.5テスラ以下MR部門

【最優秀賞】
社会医療法人社団慈生会等潤病院
「左神経根奇形(Conjoined nerve root)」

【テクニカル賞】
社会医療法人社団慈生会等潤病院
「髄膜腫」

【優秀賞】
公益財団法人老年病研究所附属病院
「右頚部内頚動脈狭窄症(症候性)」
順天堂大学医学部附属浦安病院
「顔面血管腫」
社会医療法人社団慈生会等潤病院
「3D-BPAS」
千葉県済生会 習志野病院
「関節リウマチ疑い」
東海大学医学部付属大磯病院
「上肢末梢神経損傷に対する手指機能再建術を想定した手のDiffusion TensorTractography(正常例)」
聖マリアンナ医科大学東横病院
「PV shunt」
医療法人財団康生会梶井町放射線診断科クリニック
「子宮筋腫分娩および子宮筋腫赤色変性」

●3テスラMR部門

【最優秀賞】
自治医科大学附属さいたま医療センター
「Time-SLIP法による肺動静脈奇形評価」

【特別賞】
社会福祉法人北海道社会事業協会帯広病院
「脳動静脈奇形」

【テクニカル賞】
社会医療法人共愛会戸畑共立病院
一回息止めMRCP検査による胆嚢・総胆管結石の診断

【優秀賞】
杏林大学医学部付属病院
「もやもや病によるSTA-MCAバイパス術後の血行動態の評価
広島大学病院
「左内頸動脈瘤クリッピング術術前精査」

〈超音波部門〉

●血管部門

【最優秀賞】
東邦大学医療センター大橋病院
「腹腔動脈起始部圧迫症候群(CACS)」

【特別賞】
社会医療法人天神会新古賀病院
運動負荷血管エコーにて証明し得たStanford B型大動脈解離に合併した運動誘発性下肢虚血」

【優秀賞】
東邦大学医療センター大橋病院
「頸動脈拍動性プラーク」
社会福祉法人恩賜財団 済生会横浜市東部病院
「経皮的インターベンション後の穿刺部仮性動脈瘤に対して超音波ガイド下トロンビン注入により治療しえた一例」
社会保険紀南病院
「総肝動脈瘤」

●心臓部門

【最優秀賞】
医療法人北関東循環器病院
「レフレル心内膜炎」

【特別賞】
群馬県立心臓血管センター
「ICDリード右室穿孔の診断に心エコーが有用であった1例」

【優秀賞】
国立循環器病研究センター
「巨大Valsalva洞動脈瘤により急性冠症候群をきたした1例
京都大学医学部附属病院
「心筋浸潤をきたしたSezary症候群の一症例」
社会保険紀南病院
「孤立性僧帽弁裂隙」

●表在部門

【最優秀賞】
医療法人社団聖嶺会立川記念病院
「棘上筋腱完全断裂」

【優秀賞】
公益社団法人函館市医師会函館市医師会病院
「体表に凸状に突出した浸潤性乳管癌」
東邦大学医療センター大橋病院
「左手掌内異物(エコーガイド下異物除去術施行)」
独立行政法人労働者健康福祉機構大阪労災病院
「肘部ガングリオンによる後骨間神経麻痺」
地方独立行政法人りんくう総合医療センター
「再発葉状腫瘍」

●腹部部門

【最優秀賞】
成田赤十字病院
「異物による虫垂穿孔(汎発性腹膜炎)」

【優秀賞】
東邦大学医療センター大森病院
「急性巣状細菌性腎炎(acute focal bacterial nephritis:AFBN)」
東京医科大学病院
「尿管タンポナーゼを来した腎動静脈瘻」
医療法人社団綾和会浜松南病院
「大腸動静脈奇形(AVM)」
医療法人徳洲会福岡徳洲会病院
「胆汁性仮性嚢胞」

 

●問い合わせ先
東芝メディカルシステムズ株式会社
「画論ザ・ベストイメージ」事務局
TEL 0287-26-5300
http://www.toshiba-medical.co.jp/

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