第6回「どこでもMYカルテ研究会」が開催
2012-10-22
医療従事者や行政の担当者が参加
「患者情報は患者のもの」という考えに基づき,ITを活用した地域医療連携のあり方を探るどこでもMYカルテ研究会が,2012年10月20日(土),第6回目の研究会を開催した。会場はTKP東京駅八重洲カンファレンスセンター(東京都中央区)。「医療・介護情報の透明化とどこでもMYカルテ」と題した今回の研究会は,3部構成でプログラムが用意された。総合司会は,東京医科大学渡航者医療センターの増山 茂氏と東京厚生年金病院内科部長の溝尾 朗氏が務めた。
第1部では,まず「米国の情報化政策から見る日本の医療IT政策の方向性」と題して,アクセンチュア株式会社の工藤卓哉氏が講演した。工藤氏は,ニューヨーク市の医療ITに関する政策にかかわった経験を基に,リーダーシップの重要性と,アナリティクスによる継続的改善の手法について解説した。次に登壇した内閣官房情報通信技術(IT)担当室参事官の有倉陽司氏は,「IT戦略における医療情報化の検討~『どこでもMY病院』に関する検討状況について~」をテーマに講演した。有倉氏は,糖尿病記録データセットの策定など,政府が進めるどこでもMY病院構想の具体的な取り組みの状況を紹介した。
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第2部では,始めに医療法人八女発心会姫野病院理事長の姫野信吉氏が,「お金をかけないでも出来る地域医療連携と『どこでもMYカルテ』」と題し,Webサービスを用いて,低コストで複数の電子カルテをマッシュアップさせる地域医療連携システムの仕組みや,クラウドでのシステム運用を解説した。続いて,「Into The Gray Area」と題して,南相馬市立総合病院・亀田総合病院の原澤慶太郎氏が講演した。原澤氏は,震災被災地では人口流出により,地域レベルでの介護の充実度が下がっているとし,3G回線を用いた血圧測定により改善を図った事例を紹介した。この後,相澤病院情報システム部部長の熊井 達氏が登壇。「松本市で医療・介護・福祉を結ぶICTシステム」をテーマに,地域医療連携で同院が取り組んだ複数施設の診療情報を時系列に表示・参照する「光タイムライン」を紹介した。第2部最後には,習志野台整形外科内科院長・メディカクラウド(株)の宮川一郎氏が「患者参加型医療と,それにつながる病診連携」と題して講演した。宮川氏は患者参加型医療を実現するために開発した,患者自身が診療情報を持ち運ぶ「命のMICカード」について解説した。
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この後行われた第3部の総合討論では,医療構想・千葉代表,NPO法人医療福祉ネットワーク千葉理事長の竜 崇正氏と構想日本・河北総合病院の田口空一郎氏が司会を務めた。会場の参加者も交えて,どこでもMY病院などの行政施策への意見や,低コストでの地域医療連携システム構築の方策などについて,意見が交換された。
●問い合わせ先
どこでもMYカルテ研究会
事務局
E-mail [email protected]
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