「遠隔画像診断サービス業界フォーラム構築に向けて」の第3回勉強会が開催
2012-10-15
遠隔画像診断サービス事業者らが参加
2012年10月13日(土),エッサム神田ホール(東京都千代田区)で,「遠隔画像診断サービス業界フォーラム構築に向けて」の第3回勉強会が開催された。厚生労働省が進める,いわゆる「医療機関の機能分化と連携」が広がっていく中,遠隔画像診断を行う企業や開業医が増えている。一方で,質の高い画像診断を行うためには,ビューワなどのハード・ソフトウエア,ネットワークなどの読影環境の担保,訴訟リスクへの対応といった課題が多くある。しかし,小規模な企業や開業医が,こうした課題を個々に解決するのは難しい。そこで,この勉強会では,遠隔画像診断を行う医師,サービスを提供する事業者が情報を共有し,課題解決に向け活動していくための場として設けられた。なお,第1回勉強会は3月24日に開かれている 。
今回の勉強会は,二部構成でプログラムが用意された。進行は,(株)ダイヤメディカルネットの市川 守氏。第1部は,今回の最も大きな話題である「一般社団法人遠隔画像診断サービス連合会(仮称)」の設立について,趣旨や組織の概要,活動内容やスケジュールが取り上げられた。まず,遠隔画像診断業界フォーラム立ち上げのための準備委員会世話役代表である石垣武男氏(名古屋城北放射線科クリニック)が設立の趣旨を説明。遠隔画像診断サービス事業者が連合会での活動を通じて切磋琢磨し,高品位なサービスを提供できるようにしたいと設立のねらいを述べた。次いで,イーサイトヘルスケア(株)の大野 孝氏が組織の概要を紹介。会員の種別をA,B,賛助に分けて,A,B会員の年会費を3万円にする予定であると説明した。
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この後,事業計画にかかわる課題提供についての解説が行われた。始めに(株)イリモトメディカルの煎本正博氏が,企業・プロバイダ型,専門医・独立開業型というサービス事業者の形態ごとに,仕組みと課題を説明した。また,煎本氏は,安定したサービスを提供するためにも,損害賠償保険,診療報酬などの課題をクリアする必要があると述べた。さらに,ドクターネット(株)の森脇博信氏が続き,サービス事業者の団体保険の状況について解説。さらに,(株)SEM medical solutionの仁尾弘成氏が,標準化やセキュリティなどのシステム構築上の課題を述べた。そして,再び森脇氏が登壇し,2013年4月の設立に向けてのスケジュールを説明した。
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休憩を挟んだ第2部は,厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室室長補佐・北海道大学大学院保健科学院客員准教授の中安一幸氏が,「マイナンバーと個別法について~個人情報保護法の医療等分野特別法~」と題して講演した。中安氏は,医療分野での個人情報について,情報の所有者や取り扱い,ケースごとでのプライバシーのあり方などに関し,会場に質問を投げかけ,参加者がそれに回答していく形式で講演を進めた。そして,マイナンバー制度の現在での計画や今後の動向を説明した。
当日は,遠隔画像診断サービス事業者のほか,放射線科医や,メーカー関係者が出席。遠隔画像診断サービス連合会に関する質疑応答では,会則や委員会・部会活動が話題に上った。この次は,2013年1月にも第4回勉強会の開催を予定しており,今後,連合会設立に向けての動きを加速していくことになる。
●問い合わせ先
名古屋城北放射線科クリニック
石垣武男(代:外山智美)
e-mail [email protected]
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