ITEM2021 PSP ブースレポート
見落とし防止や定量化解析など,現場の課題を解決し,画像診断の質を上げるソリューションを提案
- INFORMATION
- 取材速報
- report
2021-5-10
PSPブース
PSPは,例年と同等の広さのブースを出展し,展示機材を減らしてゆとりを持ったレイアウトとすることで,感染対策を行いながら来場者を迎えた。ブースでは,PACS「EV Insite net」をはじめとした医用システム製品群を展示し,読影用ビューアーソフトウェア「EV Insite R」の新機能や,未読管理機能が強化された所見作成支援ソフトウェア「EV Report」,被ばく線量管理・記録の義務化によりニーズが高まっている線量管理システム「ARIStation iSED」など,ユーザーのニーズをとらえ,医療現場の課題を解決する最新アップデートをアピールした。また,製品のデモンストレーションだけでなく,導入事例映像でユーザーからの生の声も紹介した。
●ビューアーソフトウェア「EV Insite R」に新機能を追加し,読影をサポート
「EV Insite R」は,Webブラウザのような手軽さとワークステーションのような高機能を有する読影用ビューアーソフトウェアで,豊富なカスタマイズ設定機能により,レイアウトや操作をユーザーごとに登録できる点が高く評価されている。リリース後もユーザーの声や要望を取り入れた開発を継続しており,今回は2つの新しい機能が追加されたことをアナウンスした。
一つ目は“お知らせ機能”で,ビューアーで画像を開いている時に,PACSに同一検査の新しい画像が追加されると,そのことをポップアップで通知する機能だ。ポップアップされたボタンをクリックするとビューアーが更新され,上部のシリーズ一覧(サムネイル)に新しい検査結果が追加される。救急の緊急読影などで,読影を開始後に画像が追加された場合にも画像の見落としを防ぐことができる。
もう一つの新機能として心筋細胞外容積分画(ECV)画像を作成する定量化解析が追加された。Dual Energy CTで作成したヨード密度画像でROIを設定し,心内腔のヨード値とヘマトクリット値を入力することで,ECV画像を作成することができる。ECV画像では,線維化している部分が赤く表示され,心筋の線維化の程度を視覚的に把握しやすい。
●未読管理機能が進化した所見作成支援ソフトウェア「EV Report」
近年,画像レポートの見落とし問題が社会的にも注目されているが,PSPでは所見レポートの見落とし(確認漏れ)を防ぐため,レポート作成ソフトウェア「EV Report」への未読管理機能の実装に力を入れてきた。医療現場での実際の運用を踏まえた機能の改善により,今回,未読管理機能がさらに向上した。放射線科医が重要所見や偶発所見をレポートに記載していても,臨床医がレポートを見落としてしまうというケースを防ぐために,レポートの重要度選択の機能が強化された。EV Reportでは,放射線科医がレポートを保存する際に,重要度(重要/偶発所見/該当なし)を選択してから保存するフローとなっているが,重要度をチェックしないまま保存しようとすると,重要度選択をうながすポップアップウインドウが表示されるようになった。一方,レポートを閲覧する臨床医側への支援機能として,参照画面にレポート一覧が表示され,重要度(重要は赤く表示),閲覧状態をひと目で把握できるようにした。一覧から未閲覧をクリックするとレポートが表示され,臨床医がレポート内容を確認し,「内容を確認しました」ボタンを押すことで初めて閲覧済となり,未読・既読を管理する管理者の業務もサポートする。
さらに,この未読,既読,重要度の情報は,院内の検査情報を一元管理する統合検査情報システム「EV Portal View」にも反映される。EV Portal Viewは,画像検査結果や臨床検査結果,各種文書,動画などを,時系列で表示するマトリックスビューで俯瞰できるシステムである。この画像検査結果のサムネイルに,未読/既読のマークや,重要であることを示す感嘆符(!マーク)が反映されるようになった。レポートにはサムネイルから直接アクセスできるため,未読レポートがあればすぐに確認できる。このほかにも,電子カルテと連携することで,画面上にポップアップで重要や未読,再通知設定したレポートの件数・一覧を表示可能な“注意喚起ツール”も用意するなど,PSPではさまざまな機能・ツールを実装することで見落とし防止を図っている。
●線量管理システム「ARIStation iSED」とRIS「ARIStation」の連携を強化
医療被ばく線量管理システム「ARIStation iSED」は,モダリティとDICOM接続してRDSRを取得,またはPACSやRIS「ARIStation」から線量情報を自動で収集してデータベースに蓄積し,プロトコール別の線量管理や,箱ひげ図・散布図などさまざまな形式で集計結果を参照することができる。集計結果から個別の線量情報を詳細に参照することができ,外れ値の検査の原因調査を行うことも可能だ。対応するモダリティは,CT,核医学装置,血管撮影装置で,接続するモダリティやPACSはベンダーを問わないため,院内の被ばく線量情報を一元的に管理することができる。
線量情報は基本的にモダリティから自動で収集されるが,核医学装置についてはDICOM RRDSR規格に対応している装置が少なく,自動収集ができないケースが多い状況にあった。そこで,ARIStation画面に「線量入力」ボタンを用意した。ARIStation画面でRI薬剤の使用量を入力すると,実投与線量が自動計算され,ARIStation iSEDに線量情報が共有される。このように直接連携できないモダリティの線量情報も一元的に管理ができるようにした。
●お問い合わせ先
社名:PSP株式会社
住所:〒105-0001 東京都港区虎ノ門5-13-1
TEL:03-4346-3180
URL:www.psp.co.jp
メールアドレス:[email protected]