ITEM2019 テラリコン・インコーポレイテッド ブースレポート
「Aquarius iNtuition Server」とAIソリューション「Envoy AI」を2本柱に新しい取り組みをアピール
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2019-4-25
テラリコン・インコーポレイテッドブース
テラリコン・インコーポレイテッドは今回,高機能ビューワ「Aquarius iNtuition Server」の最新アプリケーションと,AI(人工知能)ソリューション「Envoy AI」(日本未展開)を2本柱にブースを展開した。Aquarius iNtuition Serverは,次期バージョン“4.4.13.P4”および“4.4.13.P5”以降で搭載予定の機能・アプリケーションを複数紹介。また,Envoy AIは,プラットフォームとなるビューワ「NorthStar」を介して,ユーザーのニーズに合わせさまざまなAIアルゴリズムを使用できるAIソリューションで,米国ではすでにトライアル提供が開始されている。放射線医療におけるAIの研究開発,実用化に向けての動きは,ここ数年で急速に進んでいるが,テラリコンも専任のAI技術者をアサインするなどAIに注力しており,精力的に拡大してく予定だ。ブースでは,Envoy AIのデモンストレーション端末を複数設置し,来場者の関心を集めた。
●ブレストMR解析を中心に,最新アプリケーションをアピールした「Aquarius iNtuition Server」
Aquarius iNtuition Serverは,次期バージョン“4.4.13.P4”および“4.4.13.P5”以降で搭載予定のアプリケーションや機能を紹介した。最も大きくアピールされたのが,ブレストMR解析である。ブレストMR解析は,現在では他社ワークステーションにも実装されるようになっているが,国内ではいち早くテラリコンがリリースしたこともあり,すでに多くの医療現場で臨床活用されている。ブースでは,腫瘍の良悪性鑑別に用いられるtime intensity curve(TIC)解析の新機能を中心に紹介した。
ブレストMR解析では,対象データを開くと非剛体補正ソフトウエア“NRR”(Non-rigid registration)で高精度に補正された画像が表示され,すぐにTIC解析に入ることができる。“parametric map”機能では,ダイナミック撮像で得られたTICの解析結果をカラーマップ表示することができ,腫瘍内のwashoutの様子を視覚的に把握することができる。washoutの早い部分(赤)/遅い部分(青)がカラー表示されることで,腫瘍のコア部分の特定が容易になる。また,“Kinetics mode”により定量評価も可能で,化学療法前後の腫瘍体積を比較することで効果判定に利用できる。
さらに,バージョン4.4.13.P5以降での搭載をめざして開発中のものとして,インタイム(wash-in)のparametric mapをMIPと重ねて表示する機能も紹介した(W.I.P.)。TIC解析は,一般的にwashoutによる評価が行われているが,漸増濃染型腫瘍のようにwashoutでは評価が難しい悪性腫瘍もある。そこで,造影剤が入ってピークになるまでの立ち上がりのTICを評価するため,wash-inの様子をカラーマップ化する機能を開発している。また,圧縮センシングでダイナミック撮像したwash-in のみの数フェーズのデータを,フェーズ補間機能“NPI”で情報量を増やして(4フェーズを補間して23フェーズにするなど。フェーズ補間の間隔は任意に設定),TIC解析する方法なども紹介。検査スループットが向上し,病院経営にも貢献することをアピールした。
また,バージョン4.4.13.P4で大腸CT解析に実装される新機能も紹介した。大腸CT解析では,パスラインに沿った仮想内視鏡による観察が行われるが,撮影時に腸管拡張が不十分な場合などには,手動でパスの修正を行う必要がある。従来は,3D上や基本3断面上でパス修正を行っていたが,作業が煩雑であった。次期バージョンではパス修正がCRP view上でも可能となり,ハウストラ部の修正も容易になるなど,より簡単にパス修正を行えるようになる。修正後はCPRのストレートviewでも確認でき,解析の手間を軽減することができる。
●80以上のAIアルゴリズムを利用できるAIソリューション「Envoy AI」
Envoy AIは,世界中のさまざまな企業が開発している画像解析やCADのAIアルゴリズムを利用できるクラウドベースのAIソリューション。日本国内では未展開だが,米国ではすでにトライアル提供が始まっている。現在,AIを開発している40数社と提携し,80以上のAIアルゴリズムが提供可能になっており,提携企業やAIアルゴリズムは今後も継続的に増加していく見込みだ。Envoy AIのWebページでは,提供されているAIアルゴリズムごとにFDAの認証取得状況も確認できる。ユーザーは任意にAIアルゴリズムを選択でき,テラリコンのビューワ「NorthStar」をプラットフォームに,AIによる解析結果を読影・診断補助として参照することができる。
使用方法は簡単で,NorthStarに送信されたデータのワークリストから参照したいデータを選択すると,そのデータに適したAIアルゴリズムが自動で表示され,利用したいアルゴリズムを選ぶとすぐに解析結果が表示される。例えば,胸部CTから肺結節を検出するAIアルゴリズムでは,対象検査を選ぶと瞬時に検出された結節の位置やCT値,サイズが画像上に示される。医師は,それぞれの検出結果について「accept」や「reject」を判断してフィードバックすることでAIアルゴリズムが学習し,より解析精度が向上していく。また,NorthStarにデータが送られた時点で,データに適したAIアルゴリズムが動き,脳出血などの危険度が高いと予想されるデータはワークリストの上部に表示され,医師は救急症例として優先して画像を確認することができる。
ブースでは,肺結節検出や脳出血検出のほか,マンモグラフィの乳腺密度解析,心臓MRIの心機能解析,整形外科領域では骨折検出やインプラント手術プランニング支援など,さまざまな領域を対象とした多彩なAIアルゴリズムが紹介された。
●お問い合わせ先
社名:テラリコン・インコーポレイテッド
住所:東京都文京区湯島2-31-22 湯島アーバンビル6階
TEL:03-4586-4610
URL:www.terarecon.co.jp
お問い合わせ先:[email protected]