ITEM2014 横河医療ソリューションズ ブースレポート
発展するクラウドPACSサービス,治療RIS,PACSなどShadeQuestシリーズの特長を紹介
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2014-4-21
横河医療ソリューションズ ブース
横河医療ソリューションズは,信頼性と付加価値の高いサービスで実績を伸ばすクラウドPACSサービスや,医療現場のニーズにきめ細かく対応し使い勝手の向上を続けているPACS,RISなど,同社の医療情報のブランドである「ShadeQuestシリーズ」を中心に展示を構成した。2012年からNTT西日本グループと協業して提供を開始したクラウドサービスである「ShadeQuest/Unlimited」は,3省4ガイドラインに対応した大学病院での活用や地域医療連携サービスでの利用など,導入事例を増やしている。ブースでは,昨年と同様にNTT西日本のデータセンターと回線を結んだ端末をブースに用意し,ローカルに保存されたデータと変わらない表示速度や操作性を来場者にアピールした。今年のブースデザインは,昨年までの黒からコーポレートカラーの青と黄色をグラデーションにした明るくオープンなイメージとなり,来場者に製品やソリューションの魅力をPRしていた。(4月11日取材)
●国立大学病院,地域連携基盤などで活用が進むクラウドPACSをアピール
横河医療ソリューションズが,NTT西日本,NTTスマートコネクトと協業して提供する「ShadeQuest/Unlimited」は,横河医療ソリューションズの画像情報システムで培ってきた実績とノウハウと,NTT西日本グループの信頼性の高いネットワークとデータセンターを利用することで,安心で高機能なクラウドサービスを提供する。ブースでは,ファーストユーザーの福井県済生会病院をはじめ,2013年5月から国立大学病院で初めて,クラウド上にデータを保存した医用画像総合管理サービスの利用を開始した神戸大学医学部附属病院の事例,2014年1月からクラウドの画像サーバを利用して地域の医療機関との画像共有による地域医療連携サービスの運用を開始したNTT西日本東海病院の事例などをパネルで展示した。同社ではクラウドPACSのサービスについて,1)安心安全の外部保管,2)遠隔読影や施設間連携,3)地域情報共有サービスへ段階的な提供をめざしているが,ShadeQuest/Unlimitedによるサービスの利用が順調に拡大していることを紹介した。
ブース内には,クラウド上の画像サーバと接続した端末を設置して,ASPタイプのシステムでMacやiPadなどでもストレスなく画像参照が可能なことをアピールした。
●効率的な読影,高速で確実な画像管理を実現するPACSソリューション
横河医療ソリューションズのPACSソリューションは,読影用画像ビューワである「ShadeQuest/DIAG」,所見レポート作成システムの「ShadeQuest/Report」,そして画像情報統合サーバ「ShadeQuest/Serv」で構成される。PACSコーナーでは,これらによって高速で確実な画像の管理と配信が可能になり,さらに読影業務をサポートする画面デザインやシステム間の連携機能などでストレスのない業務が行えることを紹介した。同社では,ShadeQuest/Reportについて,これまでモニタのワイド化などに合わせた画面レイアウトなど,ハードウエアの変化に合わせたさまざまな提案を行ってきたが,ITEM2014ではモニタを縦置き(ポートレート)にした画面レイアウトを,ShadeQuest/DIAGと組み合わせて展示した。縦置きにすることでビューワ側のモニタと視線の移動が少なくなり,全体の表示エリアも変わらない利点があることをアピールした。
●日本の放射線治療の現場にフィットする治療RISの機能を紹介
放射線治療部門情報システム「ShadeQuest/TheraRIS」は,治療計画から照射,治療後のフォローアップまで,多くのステップの中でさまざまな職種によるチーム医療をサポートするためのシステムである。日本の放射線治療のワークフローでは,治療に関わるスタッフによる情報の入力や参照が効率よく行えるシステムが求められる。ShadeQuest/TheraRISは,こうした日本の治療現場からのニーズに,きめ細かく応えるシステムとしてユーザーから評価を受け,大学病院やがん専門施設への実績を重ねている。今年のブースでは,2013年に発表された最新バージョンに追加される機能を中心に紹介した。
追加された機能では,放射線治療に関わる医師,看護師,診療放射線技師,医学物理士の職種ごとに,最適化した画面や必要な機能を提供することが特長だ。例えば,医師には日常の業務の中でチェックするポイントをリマインドする“Todo機能”,看護師向けには放射線治療の中での“看護記録”を記述できる画面や情報共有機能,医学物理士向けでは治療の品質管理などのための機能などを用意する。また,医学物理士向けのソリューションとして,ShadeQuest/TheraRISと連携が可能なRTQMシステム社(本社:広島市)の「MU Verify」「ST Dose」についても展示していた。
●院内のあらゆる診療情報を統合・管理し分析可能な「ShadeQuest/Monolith」
医療情報統合マネジメントシステム「ShadeQuest/Monolith」は,放射線科の検査だけでなく院内で行われるさまざまな検査や処置の情報を収集して保管し,データの統計処理や検索,結果配信などが行えるシステムである。DICOM以外のJPGやPDF,XMLやEXCELなどのファイル形式に対応し,収集したデータを一元管理して診療業務を支援する。必要な情報をそれぞれの部門システムのサーバを参照しにいく“ポータルシステム”ではなく,情報を収集して最適化して一元管理し,分析可能な情報として提供することが特長だ。統計データとしては,“依頼科別検査種別”,“依頼科別検査グラフ”,“時間帯別検査所要時間”,“装置別画像枚数”などが可能となる。ShadeQuest/Monolithは,今回のITEMで初めて単独の製品として展示され,その機能を来場者にPRした。
●スムーズで安全な撮影業務を支援するRISの新機能を展示
放射線部門業務システム「ShadeQuest/RIS」は,視認性の向上や,大きな文字やアイコンによる患者情報の表示,警告表示など安全な撮影業務支援を行うための機能,連絡メモや検査の進捗管理など情報共有の機能などを追究して,スムーズな放射線業務を支援している。ShadeQuest/RISの新しい機能として,受付時や撮影開始時に検査待ち患者数を把握できる患者待ち人数確認機能,技師の配置状況や検査の担当状況を管理できるローテーション支援機能,造影剤を利用した際の情報を管理できる薬歴管理機能などが追加された。また,ShadeQuest/RISに搭載されている,始業終業時に行う医療安全のための点検を管理マニュアルに沿ってチェックできる“機器管理システム”についても紹介した。ブースではiPadなどのモバイル端末を利用して,この安全管理のチェックや,検査時の患者の本人確認などが行えるソリューションなども展示された。
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