ITEM2014 スター・プロダクト ブースレポート
放射線科検査のリスクマネジメントの提案と,快適な医療環境の提供を実現するシステムを紹介
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2014-4-21
スター・プロダクト ブース
スター・プロダクトは,1994年設立から今年で20年目を迎えた。同社はこれまで,MRIをはじめ,放射線科検査におけるリスクマネジメントにつながる製品を開発,市場へ提案してきた。リスクマネジメント関連製品は,被検者への安全・安心の確保とともに,術者の作業効率の改善をもたらす。
ITEM2014では,米国で開発中の新しいモニターシステムの紹介が行われた(日本国内薬事未承認)。このシステムは,SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)やNIBP(非観血血圧)に加え,小児などで必要性が増えてきているEtCO2(呼気終末二酸化炭素濃度)のモニターが可能。必要なモジュールだけを選び,施設に応じたシステム構成ができるという。今夏に米国での量産を計画,日本では今秋の発表をめざしている。(4月12日取材)
●自動音声案内に対応したMRI室用オーディオシステム「iMag」
iMagは,MRI検査において,撮像中のスキャニング音を遮音しながら,高音質の音楽を流すことができるオーディオシステム。ヘッドフォンを介して,被検者と会話をしながら撮像を進行することもでき,検査中の被検者の不安低減にも寄与する。
ヘッドフォンは,高い遮音性とマイクを付けることで,術者と被検者とのコミュニケーションを可能にした「オールラウンドヘッドフォン」と,頭部検査のヘッドコイル装着時にも使用できる「薄型セパレート式ヘッドフォン」の2種類を標準装備。双方向の通話が可能なため,術者は撮像中のガントリ内の状況を操作室に設置する優先スピーカーから把握することが可能である。被検者が発する小さな声や喘鳴から,状態の変化をいち早く察知できるなど,MRI検査のリスクマネジメントにおいて効果を発揮する。
iMagには,新しくMRI本体の自動音声案内を流せる「オートボイス」接続機能が搭載された。各社のMRIのオートボイスに対応している。音楽を流している時でも,MRI本体から自動音声案内が流れると自動的に音声案内に切り替える。案内が終了すれば音楽が自動復帰。その間,術者は操作に集中することができる。
操作室に設置するコントロールボックスは,マイクスタンドと分離でき,スペースの限られた操作卓上で自由にレイアウトできる。コントロールボックスは,85mm(H) ×205mm(W) ×170mm(D)と小型設計になっており,重量も約1.3kgに抑えている。同社では,iMag専用Webサイトを開設(http://www.atstar.jp/
)しており,接続や仕様について紹介している。
●赤外線バスキュラーイメージング「ベインビュア フレックス」で穿刺時のストレス軽減
ベインビュア フレックスは近赤外線を用い,非接触・非侵襲で深さ10mmまでの静脈をリアルタイムに観察できる。造影MRI検査において静脈ライン確保が短時間に行え,穿刺後は静脈の損傷による血管外漏出や血腫の確認が可能。米国では,2000台以上が使用されているという。
静脈穿刺は医療現場で頻繁に行われる医療行為のため,ベインビュア フレックスは処置時間の短縮など,日常診療の作業効率にも貢献する。静脈の走行方向や湾曲具合,血流などの確認が容易。被検者自身が穿刺の状態を視認することで不安の軽減にもつながり,施設のイメージアップに貢献する。
また,充電電池・AC電源での使用が可能で,本体が700gと軽量設計で持ち運びも容易である。処置台や点滴スタンドに取り付けることで,被検者から目を離すことなくハンズフリーで穿刺処置を行えるほか,成人の腕から小児の足までの静脈観察が可能である。
投影した静脈画像のキャプチャ保存や,投影画像の色を反転表示するといった施設環境に応じたオプション機能も用意されている。
●吸着事故などのリスクマネジメントのための磁性体検知装置「セーフスキャンIP」
MRI検査室への磁性体の持ち込みを禁止していても,そのリスクをゼロにすることは難しい。清掃や工事などの医療スタッフが監視しきれない場面での吸着事故が発生することもある。一度,吸着事故が発生すると,磁性体を取り除くだけではなく,MRIの調整確認などのために数日間検査が中止になるなど,時間やコストの面でも医療機関にとって負担がかかる。さらに,検査時であれば,被検者を傷つけてしまう危険性も生じる。こうしたリスクを避けるためにMRI検査室への入室前には磁性体検知が重要であり,「誰もが簡単にチェックできる方法」が必要となる。
セーフスキャンIPは,磁性体のみを検知するポールタイプの検知装置。自立式と壁固定式の2つのタイプから施設のニーズに合わせて選ぶことができる。被検者がポールの間を通過すると磁場変化を検知し,表示灯とアラーム音で警告する。
従来の金属探知装置は,装置から電磁波を発生させて「通電する物質=金属」として検知していた。そのため,セラミック磁石などの非通電の磁性体物質は検知されなかった。セーフスキャンIPは,環境に存在する静磁場を利用した検知法を採用。金属ではなく磁性体を検知することで,磁性のない金属に対してはアラームが動作しない。また,検知した医療電子機器などの作動に影響を与えない設計になっている。
●放射線科検査のリスクマネジメントを継続して提案し,医療安全の確立をめざす
同社代表取締役のドナルド・カメロン氏は,長年医療現場におけるリスクマネジメントを提案し続けてきたが,ようやく安全性の確保の大切さや必要性が浸透してきたと述べた。そして,リスクマネジメントにより,医療スタッフの業務効率も向上するというメリットを説明。導入施設からの追加注文も増えていると話している。
同社では今後,術中画像診断など技術発展を見据え,MRIの術中撮像で活用できる外部モニタなどの開発も行っていく。また,iMagをはじめとする国内開発された製品を,積極的に海外にも展開していく予定だという。
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●お問い合わせ先
スター・プロダクト株式会社
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URL:www.starprod.co.jp