ITEM2014 日本電気硝子 ブースレポート
最大寸法1200×2600mmの「LXプレミアム」や,患者のプライバシーを守る新製品「調光スクリーン」を展示


2014-4-21


日本電気硝子 ブース

日本電気硝子 ブース

幅広いジャンルの特殊ガラス製品を扱う日本電気硝子では,主力製品である放射線遮蔽用ガラス「LXプレミアム」の最大寸法1200×2600mmの実物と開発品であるガラスへの反射・映りこみを抑える「反射防止膜付きLXプレミアム」を併せて展示。放射線遮蔽性能をより高めた「Pro-GR」のほか,LXプレミアムを用いた移動式防護衝立「LX防護衝立」と,そのオプション品である「調光スクリーン」も紹介した。(4月12日取材)

●最大寸法1200×2600mmの巨大
「LXプレミアム」を体験

「LXプレミアム」は,ヤケやくもりが発生しないよう改良された医療向け放射線遮蔽用ガラスの主力製品。
操作室と検査室を隔てる操作窓には,医療従事者を被ばくから守るための高い放射線遮蔽性と同時に,検査者が患者を観察できるように高い透視性が求められる。そのため,液体やホコリの付着により検査室が見づらくなることがないよう日常的なメンテナンスが必要となる。しかし,従来の放射線遮蔽用鉛ガラスは水拭きや薬品の飛散でヤケ・くもりが発生してしまい,透視性が大幅に低下してしまうことが課題となっていた。
LXプレミアムは,日本電気硝子が開発した放射線遮蔽用ガラス「LX-57B」の優れた放射線遮蔽性能と高い可視光透過率はそのままに,LX-57Bを安全ガラスフィルムと特殊カバーガラスで保護することで,水拭きやガラスクリーナーでのクリーニングを可能にした。これにより,透視性を長期にわたって容易に維持することが可能となり,検査者や施設の管理者のストレスが大幅に解消される。
今回ブースで展示されたのは,LXプレミアムの最大寸法1200×2600mm。実際の使用感を体験できるようブース内に仮想の検査室を作って,覗くことができるようにレイアウトされた。最大寸法のLXプレミアムでは,ガラス用の中間柱が不要で,検査者の視界を遮らず,広い視野を確保できる。LXプレミアム自体の高い透明度もあり,検査者の視認にかかる負担が大幅に軽減される。
また,併せてLXプレミアムのガラスの構造を目で見て,理解を深めてもらいたいという考えから,ガラス断面がよくわかる斜めにカットされたサンプルを展示していた。
さらに,開発品として「見えないガラス」の技術を生かし,表面にアンチリフレクティブコーティングを施した「反射防止膜付きLXプレミアム」も展示。ガラスの反射・映り込みがほとんどなく,クリアな視界を継続的に得ることができる。ブースではLXプレミアムと反射防止膜付きLXプレミアムを並べることで,映り込みの少なさをアピール。展示会場の強い照明の中でも,反射防止膜付きLXプレミアムには反射による映り込みがほとんどなかった。

ブースを大きく使用して展示された最大寸法1200×2600mmのLXプレミアム

ブースを大きく使用して展示された最大寸法1200×2600mmのLXプレミアム

LXプレミアムの断面。横から見るとカバーガラスに保護されているのがはっきりとわかる。

LXプレミアムの断面。
横から見るとカバーガラスに保護されているのがはっきりとわかる。

 

●より高い遮蔽性能を持ったガンマ線遮蔽用ガラスと“鉛フリー”の放射線遮蔽ガラス

Pro-GR。ガンマ線に対応する遮蔽性能を持つ鉛ガラスにしてはかなり厚みが抑えられている。

Pro-GR。ガンマ線に対応する遮蔽性能を持つ鉛ガラスにしてはかなり厚みが抑えられている。

ブースでは他にも,より高い放射線遮蔽性能を追究し,PET診療などで使用されるガンマ線に対応したガンマ線遮蔽用鉛ガラス「Pro-GR」を展示。Pro-GRは原子力施設向けの超高鉛ブロックガラスと同等の酸化鉛含有率約70%のガラス材質で作られ,遮蔽性能を高めるのに必要なガラスの厚みを抑えることに成功している。また,必要に応じてPro-GRを合わせガラスにすることで遮蔽性能を高めることも可能。Pro-GRも特殊カバーガラスで表面を保護しているため,水拭きによるヤケ・くもりが発生しないようになっている。
また,実物の展示はされていなかったが,マンモグラフィなどの低線量検査で使用できる環境に優しい“鉛フリー”の放射線遮蔽ガラス「LFX-9」の紹介がされていた。

●患者のプライバシーを守る新製品「調光スクリーン」

ブースの一角では,移動式の防護衝立「LX防護衝立」と,そのオプション品となる新製品「調光スクリーン」が展示された。LX防護衝立はLXプレミアムを使用した移動式の防護衝立で,優れた放射線遮蔽性能を備えながら,手軽でコンパクトな取り扱いが評価されている製品。調光スクリーンは,このLX防護衝立の透視・不透視をリモコンで一瞬で切り替えることができる。調光スクリーンのスクリーン部には新素材「Lamion」が使用されており,軽くてキズに強く,クリアな視界を維持する。本体は着脱式でLX防護衝立にとりつけることができるため,手入れも簡単にでき,すでに導入している場合でもアタッチメントとして追加が可能となっている。調光スクリーンにより,患者のプライバシーを保護することができるため,特に女性の患者が感じやすい,検査者に「見られている」という精神的負担を軽減し,患者が検査をリラックスして受けられるようになる。

調光スクリーン。透視状態では患者の様子を確認できる。

調光スクリーン。
透視状態では患者の様子を確認できる。

不透視状態だとほとんど見えなくなる。

不透視状態だとほとんど見えなくなる。

 

●お問い合わせ先
日本電気硝子株式会社
住所:〒532-0003 大阪市淀川区宮原2-11-1
TEL:06-6399-2728
URL:http://www.negb.co.jp/product/05/01.html


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