ITEM2014 インフォコム ブースレポート
放射線部門をトータルで支援するソリューションや災害・救急医療に役立つ「HiSMRT99」が注目
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2014-4-24
インフォコム ブース
情報通信システム大手のインフォコムは,医療分野においても診療情報の管理や,文書作成とデータ活用を支援するシステムを手がけている。放射線部門においても,PACS「iRad-IA」やRIS「iRad-RS」など,検査から検像,医用画像管理,読影・レポート作成,さらには放射線治療,手術支援まで,広範にわたる業務をサポートする数多くのシステムをラインナップしている。ITEM2014のブースでは,これらの製品群による統合ソリューションを来場者に紹介していた。
また,災害・救急医療において救急車などから画像を伝送する「HiSMRT99」を紹介し,注目を集めていた。このほか,術中ICG(IndoCyanine Green)蛍光動画から血流を解析する「FlowInsight」など,ほかのブースで目にしないジャンルのユニークな製品を展示して,同社の幅広い製品群を来場者にアピールしていた。(4月12日取材)
●放射線検査の業務効率と精度を向上するiRad-RSと検像システム「iRad-QA」
同社が提供する放射線検査業務を支援するものとしては,RISのiRad-RSと検像システムのiRad-QAがある。iRad-RSは,電子カルテシステムと連携して放射線検査のオーダと実施状況を管理し,効率的なワークフローを支える。蓄積されたデータを基に装置の稼働状況など放射線部門の運営管理につながる分析ができ,グラフなどでわかりやすく表示する。モダリティの保守点検状況もiRad-RSで管理することが可能だ。
iRad-QAは,検査画像がオーダ内容に基づいて正しいものであるか確認し,PACSのサーバに正しい画像・検査情報を送信するフィルムレス環境では欠かせない検像システム。患者属性といったDICOMタグや画像の並び順などの修正は,手動・自動の両方で行える。オプションで,iRad-QAの端末とは別の場所にある端末から検像業務ができる機能を用意している。
iRad-RSとiRad-QAは,同じサーバで運用することが可能であり,両方の業務を同一画面上で効率的に行える。
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●PACSやRISとシームレスに連携しレポート作成を効率化する「iRad-RW」
iRad-QAで検像された画像は,PACSであるiRad-IAのサーバに保存される。読影には,DICOMビューワの「eFilm Workstation」が用意されている。eFilm Workstationは,MPRといった画像処理や心胸郭比計測などの機能を搭載している。
さらに,読影結果のレポート作成としてiRad-RWがラインナップされている。効率的にレポートを入力できるようテンプレートを用意。作成されたレポートは,院内の電子カルテシステム端末からWebベースで参照することが可能である。iRad-RSとサーバを共有することで,スムーズな連携ができており,検査を担当する診療放射線技師がiRad-RSの検査リストから当該患者を選択し,前回検査のレポートを参照するといったことも容易に行える。レポートは,カンファレンスや教育用などフォルダを作成し,分類できる。
●放射線治療用RIS「iRad-RT」により質の高い放射線治療を支援
放射線治療用のRISであるiRad-RTは,DICOM-RTをサポートしており,PACSや治療装置,治療計画システムなどと連携し,精度の高い放射線治療をサポートする。iRad-RSやiRad-RWとサーバを共有できるほか,システム間の接続もシームレスに行える。放射線検査を受けた患者が,その後放射線治療を受ける際に,データを共有でき,トータルでの患者情報管理を可能にしている。日本放射線腫瘍学会(JASTRO)のガイドラインに準拠しているため,他施設との間で治療成績などの情報を比較することも容易である。
●手術のシミュレーションが可能な
整形外科用PACS「iRad-OT」
iRad-OTは整形外科向けのPACSである。Sharp角やCobb角などの自動計測が可能なほか,高度な計測にも対応している。システム内に主要なインプラントメーカーの製品情報が収録されており,手術に用いるインプラントを選択し,画像上に重ね合わせてシミュレーションできる。このインプラント情報は定期的に更新される。ブース内では,iRad-OTと組み合わせて,人工関節の摩耗度や膝軟骨の定量評価を行えるソフトウエアの「Dr.View/LINUX」も紹介された。
●HiSMRT99により災害・救急医療での患者搬送を最適化
災害・救急車両映像伝送システムのHiSMRT99は,救急車の車内などから,携帯電話回線を使用して,高解像度のカメラや生体モニタ,超音波診断装置の映像をリアルタイムで搬送先の医療機関へ伝送するシステム。医療機関側は,無駄のない受け入れ体制を準備でき,搬送する側は,映像で患者の状態を伝えることにより最適な搬送先の選択につなげることができる。患者の様子や生体情報をわかりやすく伝えることで,医療機関と救急隊員との情報共有にも効果がある。
●血流状態の定量化により手術効果判定ができるFlowInsight
ITEMでは初展示となるFlowInsightは,手術中に顕微鏡カメラで撮影したICG蛍光動画から血流の状態を定量解析するソフトウエア。バイパス術やクリッピング術での手術前後の血流状態を比較することで,効果判定が可能となる。
●お問い合わせ先
インフォコム株式会社
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-34-17 住友不動産原宿ビル
TEL:03-6866-3790
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