ピー・エス・ピーブース

ピー・エス・ピーは「選ばれるRadiology system」をテーマに掲げ，地域連携などユーザーが求めている機能を盛り込んだ「選ばれる」製品群を展示した。地域連携に関しては，放射線部門のDICOM画像だけでなく，医療機関内で発生するすべての検査情報を参照できる統合検査情報システム「PSA（Portal Space Ace）」についても，検査情報を共有する機能を組み込んでおり，来場者の関心を集めていた。PACSの「EV Insite net」には，3D画像処理ソフトウエアである「EV Insite Myrian3D」を搭載できるようにしたほか，救急などでiPadで画像参照できる「EV Insite net for iPad」を展示した。さらに，EV Insite netを中心に構築された地域連携システムの事例が紹介された。（4月14日取材）

●地域連携向けの機能が充実したPSA

PSAは，統合検査情報システムと位置づけられ，放射線検査画像だけでなく，内視鏡検査画像やPDF，JPEG画像など，医療機関内で発生する画像や文書類を検査種別，日付順にマトリックス表示する。表示内容のアイコンがテキストとサムネイルから選択できたり，入院と外来の色分けするなど，使いやすさ，わかりやすさにこだわった画面となっている。また，手書き文書の一括取り込みも可能で，手書きの利便性を生かしながら，効率的な文書データ管理ができる。
このPSA画面の予約ボタンからは，インターネットを通じて紹介検査の予約を行えるようになっている。これはボタンをクリックすると，検査のスケジュールが記載されたカレンダーがウインドウ表示され，状況を確認しながら予約できるもの。紹介元の診療所にとっては，効率的に検査予約ができ，依頼先の病院は機器の稼働率を上げることに結びつけられる。

PSAのマトリックス表示画面

PSAの検査予約のカレンダー表示

●3D画像処理ソフトウエア「EV Insite Myrian3D」により画像データの院内配信を充実化

3D画像処理を行うための「EV Insite Myrian3D」

同社のPACSであるEV Insite netのビューワ「EV Insite R」上で動作する3D画像処理ソフトウエアの「EV Insite Myrian3D」も大々的に紹介された。
このソフトはフランスのイントラセンス社との提携によるもの。1ライセンスでクライアント5台にインストールできる。関心領域の3D表示や色分け，測定・アノテーション，骨抜き画像などの組織抽出，仮想内視鏡などの画像処理が行える。これらの機能をまとめた基本パッケージのほかに，専用オプションとして肝切除術のシミュレーションに利用できる「XP-Liver」と，肺気腫解析を行う「XP-Lung」が用意される。EV Insite netのサーバにあるデータで画像処理を行うため，3Dワークステーション用に別途データを用意する必要もなく，効率的なデータ管理ができる。また，診療科の医師はEV Insite netから3D画像をビューワ上で展開できるため，わかりやすい患者説明が行えるほか，カンファレンスにも活用できる。
このほか，地域連携向けのビューワである「W-EV Insite」も紹介された。連携先の診療所などのクライアント上で画像を参照できるもので，中継サーバを介して画像を参照する仕組みにしたことで，既存の院内システムに負荷をかけない運用が可能。読影レポートは，Webブラウザで参照でき，読影医が指摘した病変部のキー画像を速やかに表示するといった，スピーディかつ使いやすいものとなっている。

●救急など読影医が不在の際にiPadで遠隔画像診断支援をする「EV Insite net for iPad」

緊急遠隔画像診断支援システム「EV Insite net for iPad」は，救急などにおいて，遠隔地にいる放射線科医がiPadを使って画像診断支援を行うことができるシステム。PACSから画像を選択してアップロードすると，そのURLが遠隔地にいる放射線科医に電子メールで送信される。
放射線科医は送られてきたURLから読影ページにアクセスして画像を参照し，読影を支援する。iPad上にはデータをダウンロードしないので，スピーディかつ安全にデータを参照できる。このほかのセキュリティ対策として，ワンタイムパスワードやユーザー認証，SSL通信などを採用しており，安心して運用できるシステムとなっている。iPadのビューワは，ページングなど，直感的なタッチ操作となっており，放射線科医にとって使いやすいのも特長だ。

セキュリティ対策により，安心して運用できる「EV Insite net for iPad」