インフォコム（株）は，インドネシアでクリニック運営とクリニックマネジメントシステムを開発・提供するKlinik Pintar Technologies Pte. Ltd.（以下，Klinik Pintar社）と戦略的資本・業務提携契約を締結したことを発表した。

【背景】

インドネシアのクリニックのほとんどは個人経営であり，リソースが限られることから業務のデジタル化が進んでいないのが実情である。インドネシア政府は，2022年より全ての医療機関に対し医療情報の標準化を進めており，今後医療業務のデジタル化が加速することが見込まれる。
Klinik Pintar社は，インドネシア国内において20のクリニックを運営するほか，クリニックの予約や会計，患者情報，電子カルテ等をクラウド上で管理するプラットフォームであるクリニックマネジメントシステムを開発・提供している。2022年の提供開始以降，フリーミアムモデルにより急速にユーザ数を拡大し，現在インドネシア国内1,000以上のクリニックに導入されている。また，2024年末には累計3,000施設への導入を計画している。
インフォコムは，国内トップクラスのシェアを誇る医薬品情報検索システム「DICS」シリーズを1994年から提供している。電子カルテ，オーダリングシステム，調剤システム等，医療現場における他のシステムとのシームレスな連携利用が可能。

【概要】

インフォコムとKlinik Pintar社は，今回の業務提携により，Klinik Pintar社のクリニックマネジメントシステムに，同社の東南アジア向け医薬品情報システム「RxPert」^（※1）を連携し，有償のオプション機能として付加し，2024年1月からインドネシア国内のクリニックを中心とした医療機関への提供を開始する。今後は双方システムの連携により，医療従事者は常に最新の医薬品情報へのアクセスが可能になるとともに，医薬品の相互作用等のチェック機能により処方ミスが軽減され医療品質の向上に貢献する。

^{（※1）「RxPert」は，同社の医薬品情報検索システム「DICS」を東南アジア向けに提供するクラウドサービス。東南アジア各国で承認された医薬品を網羅したデータベースを提供し，インドネシアでは国民皆医療保険対象薬剤を特定できる機能など，各国特有の制度に対応した機能を備えている。}

【今後の展開】

インフォコムは中期経営計画（2023～2025年度）にて，基本方針の一つに「成長の追求」を掲げ，重点事業である「電子コミック」と「ヘルスケア」の成長継続と海外展開を図っている。
今回のKlinik Pintar社との戦略的資本・業務提携を同社のヘルスケア事業の海外展開の足掛かりとして，インドネシアをはじめとした東南アジア各国へ向け，高品質のITサービスを提供していく。

■Klinik Pintar社について
Klinik Pintar社はインドネシアで最大のデジタルクリニックネットワークであり，クリニックマネジメントシステムが提供するテクノロジーを通じてクリニックが医療のエコシステムに繋がるソリューションを展開している。 Klinik Pintar社は自社クリニックを通じて，質の高い診察や処方だけでなく，オンライン診療なども提供し，インドネシアの医療サービス向上に貢献している。