ウィーメックス,日本国内の遠隔妊婦検診で遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を初めて試験導入
~北海道における実証実験,医療アクセスの向上/妊婦や医療従事者の負担軽減を支援~

2024-10-31

遠隔診療

PHC(メディコム,ウィーメックス)


PHCホールディングス(株)傘下の ウィーメックス(株)(以下「ウィーメックス」)が提供するリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」(※1)を活用した遠隔妊婦検診の実証実験が,2024年10月上旬,北海道後志(しりべし)地方にて実施された。「Teladoc HEALTH」を活用した遠隔妊婦検診は,国内初の試みとなる。

日本では,産婦人科・産科を担う施設が年々減少傾向にある(※2)。小樽市やニセコ町がある北海道後志地方では,分娩対応施設が社会福祉法人北海道社会事業協会小樽病院(※3)(以下「小樽協会病院」)の1か所のみとなっており,妊娠中の患者(以下「妊婦」)および医療従事者の負担が課題となっていた。

小樽協会病院では電話を使った遠隔妊婦検診の実証実験を2年程前に行ったが,音声だけでは的確な支援が難しく,使用する超音波診断装置の違いにより現場の助産師が操作に戸惑う場面もあった。また,スマートフォンのカメラを使った実証実験では,遠隔地の医師が診たい部分を鮮明に確認できないことや,プローブ(※4)の操作指導が上手く伝わらないという課題があった。
これらの課題を「Teladoc HEALTH」で解決すべく,今回の実証実験では,遠隔地の医師側で受信する超音波診断装置の画像品質や,プローブの操作指導や妊婦とのコミュニケーションプロセスを検証した。結果,画像品質の高さやスムーズなコミュニケーション,顔が見られる安心感という点が高く評価された。

#実証実験の取り組み

ウィーメックスが支援する今回の実証実験では,小樽協会病院の専門医が,社会福祉法人北海道社会事業協会岩内病院(※5)(以下「岩内協会病院」)にある「Teladoc HEALTH TV Pro 300」を通じて,超音波診断装置の画像を確認しながら妊婦検診を実施した。小樽協会病院から超音波診断装置の操作に精通した助産師を岩内協会病院に1名派遣し,臨床検査技師が実施する超音波検査の支援を行った。

遠隔妊婦検診時の様子(岩内協会病院)

遠隔妊婦検診時の様子(岩内協会病院)

 

今回の実証実験に活用した,コンパクトで持ち運び可能なリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH TV Pro 300」(岩内協会病院)

今回の実証実験に活用した,コンパクトで持ち運び可能なリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH TV Pro 300」(岩内協会病院)

 

専門医が遠隔地(小樽協会病院)から,岩内協会病院にいる妊婦を検診する様子(小樽協会病院)

専門医が遠隔地(小樽協会病院)から,岩内協会病院にいる妊婦を検診する様子(小樽協会病院)

 

実証実験では,以下の項目を検証した。
・遠隔地(小樽協会病院)に送られる超音波診断装置の画像品質
・コミュニケーションの効率化
・実証実験に参加した妊婦からの評価

今回は,2名の妊婦に対して遠隔妊婦検診を行い,以下の結果となった。
・超音波診断装置の画像の送受信は非常にスムーズに行われ,遠隔地の専門医がリアルタイムで確認できた。
・臨床検査技師の手元と超音波診断装置の画像を2画面で確認できるため,プローブの当て方の指導を効率よく実施できた。また,アノテーション機能(※6)を使うことで,胎児発育の評価も容易に共有ができた。
・実証実験に参加した妊婦からは,移動負荷の軽減や,遠隔地の専門医の顔が見られることへの安心感など高い評価を得た。

今回の実証実験について,小樽協会病院産婦人科長・医療安全管理室長の黒田敬史氏は,次のように述べている。「後志地方のように分娩施設が限られた地域において,妊婦さんが遠隔地でも安心して診療を受けられる環境を整えることは重要です。今回の実証実験では,遠隔からでもエコー画像を高精度でリアルタイムに確認でき,妊婦健診を問題なく実施できました。当院の年間分娩数約300件のうち,遠方を含め市外から通院する妊婦さんが2割を占めています。この地域での取り組みが広がり,少ない医療資源の利活用で妊婦さんの負担を減らしつつ,質の高い医療を提供できる先例を築ければと考えています。」

また,岩内協会病院院長の横山和之氏は,次のように述べている。「今回の実証実験を通じて,専門医からの遠隔支援を受けながら,安心して超音波検査に臨むことができました。これまで分娩施設のない地域では,妊婦さんが遠くまで移動する必要がありましたが,今回のように遠隔妊婦検診が実現すれば,妊婦さん及びご家族の負担を大きく軽減できると感じています。地域医療の課題を解決する一つの手段として,リアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」は有用と考えています。」

ウィーメックスは,「Teladoc HEALTH」を通じて,地域の医療格差の解消をし,地域の皆様が安心して暮らせる環境へと貢献していく。

#リアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」について

専門医の少ない医療機関と遠隔地の専門医をオンラインで繋げる,リモート操作可能なリアルタイム遠隔医療システム。超音波診断装置などの周辺医療機器と接続し,患者の容体を短時間で把握することができる。遠隔地にいる医師主導で操作を可能とし,現場にいるように情報を取得できる。「TV Pro 300」は,「Teladoc HEALTH」シリーズ最高性能のカメラ「70倍相当ズーム」かつナイトビジョン対応で,コンパクトで持ち運びができ(本体重量約3.5kg),壁や車体などに取り付けられるため様々な医療現場で活用が可能である。

リアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」

 

※リアルタイム遠隔医療システムのラインナップ。本製品には医療機器に該当する機能は含まれていない。

(※1)リアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」ブランドサイト
https://www.phchd.com/jp/bx/telehealth
(※2)「令和4(2022)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/22/dl/02sisetu04.pdf
(※3)社会福祉法人北海道社会事業協会小樽病院
https://www.otarukyokai.or.jp/
・所在地:北海道小樽市住ノ江1丁目6番15号
・院長 : 宮本憲行
(※4)プローブ:超音波を発生し,超音波ビームを送受信する医療機器の重要な部分
(※5)社会福祉法人北海道社会事業協会岩内病院
https://www.iwanaikyoukai.jp/
・所在地:北海道岩内郡岩内町字高台209番2
・院長 : 横山和之
(※6)診断・治療方針に関して協議する際に活用できる,映像・画像へのタグ付け機能。双方が同じ映像・画像を見ながら,矢印の表示や,書き込みを行うことで,円滑な共有と決定をサポートする。

 

●問い合わせ先
ウィーメックス(株)
E-mail:[email protected]
https://www.wemex.com/

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