ウィーメックスのリアルタイム遠隔医療システム 「Teladoc HEALTH」,国内初となる透析領域での実証実験を福島県立医科大学にて実施
2023-10-11
PHCホールディングス(株)傘下のウィーメックス(株)(以下「ウィーメックス」)は,公立大学法人福島県立医科大学(以下「福島県立医科大学」)の腎臓高血圧内科と連携し,ウィーメックスのリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を活用した透析領域での実証実験を行ったことを発表した。国内の透析領域における「Teladoc HEALTH」の活用は,今回が初めてとなる。
#透析領域での遠隔医療活用(以下「遠隔透析」)の課題
透析とは,腎臓の機能を失った人が尿毒症にならないよう,腎臓に代わって老廃物や水分を排出する治療法。透析の一つである「血液透析」では,患者は4~5時間かかる透析を1週間に約3回受ける必要がある。
福島県内では,透析の専門医や専門スタッフが不足しており,患者は専門医のいる遠方の病院へ通院しなければいけない状況。福島県立医科大学では,2018年より,透析装置から得られる数値やカルテ情報を4カ所の施設と共有しながら,電話やWEB会議システムを用いて遠隔透析を行っていたが,遠隔透析を進めていく中で,より質の高い支援をするために,大きく3つの課題があった。
<遠隔透析における3つの課題>
1. 電子カルテや電話での情報だけでは,治療方針を決める事に困難を感じていた。
2. 紙カルテで運用されている施設では,カルテ内容を全て耳で聞く必要があった。
3. WEB会議システムの映像だけでは,治療に必要な情報を十分に得られない事があった。
これらの課題を解決すべく,今回,ウィーメックスが提供するリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を活用した実証実験を実施する運びとなった。
#リアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を用いた実証実験
今回の実証実験では,「Teladoc HEALTH」の最上位機種「Lite 4」を活用し,専門医と現場の臨床工学技士や看護師を繋いだ遠隔コンサルテーションを実施した。遠隔コンサルテーションとは,離れた場所にいる医療従事者間で患者の診療情報や検査画像等を共有しながら診断・治療方針等に関して相談するものであり,医師の地域偏在といった課題に貢献できると考えられている。
<実証実験の概要>
・期間:2022年12月5日(月)~2023年3月31日(金)
・実施場所:福島県立医科大学,実証実験協力病院(遠隔透析を支援している病院)
・実施内容:「Teladoc HEALTH」を実証実験協力病院に設置。福島県立医科大学から,「Teladoc HEALTH」へ接続し,遠隔からカメラを操作することで,患者や現場の様子を確認し,コンサルテーションを実施。
本実証実験を通じて,医師は,患者や現場の様子を能動的にリアルタイムで確認でき,より精度の高い診察を行うことができた。また,「Teladoc HEALTH」のカメラのズーム機能により,紙のカルテも問題なく遠隔地から読むことができるため,これまでのように現場の医師がカルテ情報を読み上げる必要がなくなった。
さらに,本実証実験にて得られた大きな効果の一つが,患者からポジティブなフィードバックを得たことである。これまでは,医療従事者間のみでの情報共有に留まっていたが,「Teladoc HEALTH」の活用により,患者自身がリアルタイムで診察を受けている実感を得ることができ,患者が自ら症状を細かく医師に説明できるようになった。医療従事者間の情報共有のみならず,患者とのコミュニケーションを通じて,より精度の高い診察の実現に貢献している。(参考:第68回日本透析医学会学術集会・総会における渡邊氏の発表資料)
本実証実験で遠隔透析を担当した,福島県立医科大学医学部腎臓高血圧内科学講座主任教授,先端地域生活習慣病治療学講座主任教授の風間順一郎氏は,次のように述べている。『「Teladoc HEALTH」を用いたことで,専門医が欲しい情報を能動的に得る事ができるようになりました。また,医療従事者のみならず患者さんともコミュニケーションがとれ,より質の高いリアリティのある診察が行えると感じました。今後は,電子聴診器を介した血管内の渦流音やエコー画像をリアルタイムに共有することで,実際の診察に近づけられると考えています。』
詳しい実証実験の内容については,下記サイトにて公開している。
https://www.phchd.com/jp/bx/telehealth/casestudy/dialysis/fukushima
#リアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」について
専門医の少ない医療機関と遠隔地の専門医をオンラインで繋げる,リモート操作可能なリアルタイム遠隔医療システム。超音波診断装置などの周辺医療機器と接続し,患者の容体を短時間で把握することができる。遠隔地にいる医師主導で操作を可能とし,最上位機種(モデル:Lite 4)は,45倍ズームおよび約360度回転が可能な高解像度カメラを搭載している。
●問い合わせ先
ウィーメックス(株)
デジタルヘルス事業部 遠隔医療ソリューション部
Email:[email protected]