メディカル・データ・ビジョン,人工知能(AI)"超聴診器"AMIと資本業務提携 心疾患臨床データ組み合わせ,新たな治療法開発など支援
2023-6-6
国内最大規模の診療データベース(DB)を保有するメディカル・データ・ビジョン(株)(以下「MDV」)は,人工知能(AI)を応用した超聴診器(※1)を開発・提供するAMI(株)(以下「AMI」)と資本業務提携することで基本合意したことを発表した。MDVの診療DBにAMIの心疾患関連のデータを組み合わせて,よりエビデンスレベル(信頼性)の高いDBを構築し,心疾患の新たな治療法開発などを支援する。
※1 心疾患診断アシスト機能付遠隔医療対応聴診器
大動脈弁狭窄症といった心臓弁膜症の診断は心臓超音波(心エコー)検査が中心となっており,疑いのある患者全員に同検査を実施するには,相当のマンパワーが必要で,患者の費用負担が課題となっている。また,心不全の補助診断法には,心臓から分泌されるホルモンの一種であるBNPやNT-pro BNP値を測定する血液検査があり,都度,採血しなくてはならないほか,検査結果を聞くまでに患者は2時間程度待つ必要があり,検査のハードルが高いのが現状である。MDVはこれらの課題解決に超聴診器がカギを握ると信じている。
両社が資本業務提携することで,MDVが医療ビッグデータの二次利用許諾を得ている全国の病院に対して,大動脈弁狭窄症や心不全などの早期発見・治療のためにAMIの超聴診器の活用を後押ししするほか,MDVが保有するDBに,超聴診器で収集する心疾患関連の臨床データを組み合わせて,新たなDBを構築していく。
また,中長期的な展望として超聴診器を一般の人が使えるようにして,MDVが展開するPHR(パーソナルヘルスレコード)システム「カルテコ」(※2)の利用者に積極的に使ってもらえるようにして個人の検査データを集積していくことも計画している。
※2 カルテコは患者や健康診断の受診者が,自身の診療情報(傷病名,血液検査などの結果,診療中に使われた薬,処方された薬,処置・手術など)や検査画像,健診情報を保管し,スマートフォンなどでいつでもどこでも閲覧できるWEBサービス。
MDVはオープンアライアンス戦略のもと,昨年5月に(株)ディー・エヌ・エーと業務提携をし,両社で蓄積してきたデータベースを連携することで国内最大規模の保険者データベースを構築した。これにより健康保険組合データが上乗せされ,国民健康保険加入者,後期高齢者のデータも加わることで,従来からある病院データに加えて保険者データも国内最大規模に拡大した。利活用可能なデータベースの実患者数は5月末時点で病院データは4,383万人,保険者データは1,930万人となった。一方で,カルテコは2015年6月にサービスを開始し,現在,全国で5万人超が利用している。
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メディカル・データ・ビジョン(株)広報室
担当:君塚,赤羽,汲田
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