東海国立大学機構と富士通,SDGsやSociety5.0の実現に向けて,ウェルビーイング社会の創生と宇宙活動における課題探索や技術開発に関する包括協定を締結
2023-2-27
国立大学法人東海国立大学機構(注1)(以下,東海国立大学機構)と富士通(株)(注2)(以下,富士通)は,SDGsやSociety5.0の実現に向け,地域に密着した健康と医療の好循環モデルの構築によるウェルビーイング社会の創生や,人類の活動圏が宇宙に広がる近未来を見据えた宇宙活動における未知の課題を解明する課題探索や技術開発などに関する包括協定を2023年2月24日に締結した。
東海国立大学機構の健康医療ライフデザイン統合研究教育拠点(注3)(以下,C-REX)が持つライフデザインの研究実績および東海圏の医療機関や自治体との連携力と,富士通のAIなどの先進テクノロジーや富士通Japan(株)(注4)の電子カルテシステムなどから取得するヘルスケアデータを活用した患者中心のエコシステム形成により,ヘルスケア分野における地域課題の解決とサービスの高度化を進め,ウェルビーイング社会の創生を目指す。
宇宙活動における課題探索や技術開発では,名古屋大学宇宙地球環境研究所(以下,ISEE)が持つ世界トップクラスの宇宙天気予測モデルや衛星および地上観測データベースと,富士通のスーパーコンピュータによる大規模シミュレーション技術やAIを用いたデータ解析技術により,宇宙天気予報シミュレーションの高度化や高速化とともに,予報を支える人材の育成や制度化に取り組んでいく。
両者は,本包括協定に基づき,互いの技術やサービス,地域のフィールドやネットワークを活用した活動を深化させ,テクノロジーとデータを高度に連携させた人を中心とする持続可能な社会の実現に貢献していく。
包括協定の対象分野
1. 地域に密着した人を中心とする健康・医療エコシステムの形成
地域に密着した健康と医療のデータ駆動型の好循環モデルの実現に向けて,C-REXが連携する医療機関や自治体と協力し収集した健康診断などの情報を,富士通が開発する個人に帰属するヘルスケアデータを集積および管理するプラットフォームに,スマートデバイスや健康診断情報,電子カルテの診療情報と合わせて蓄積する。蓄積したデータは,新たに両者専用のデータアナリティクスセンターをクラウド上に設置し,富士通のAI技術の活用や,東海国立大学機構のデータサイエンティストの医療的な知見により,共同で分析する。また,富士通はサステナブルな世界の実現を目指す「Fujitsu Uvance」のもと,あらゆる人のライフエクスペリエンスを最大化する「Healthy Living」を推進しており,分析結果をもとにフレイルの予防など社会課題の解決に向けたヘルスケア関連のサービスを開発していく。
2. 宇宙活動における課題探索と技術開発
近年,太陽風の影響や宇宙環境を事前に予測して,地上や地球圏で対策を立てる取り組みは気象予測になぞらえ宇宙天気予報と呼ばれている。人類の活動圏が宇宙に広がる近未来を見据え,ISEEが持つ太陽フレアや黒点などの太陽表面現象や太陽風および放射線に関する予測モデル,衛星や地上で観測したデータベースをもとに,富士通が2020年に名古屋大学に導入したスーパーコンピュータ「不老(フロー)」における大規模シミュレーションやチューニング技術,データ解析技術を活用し,宇宙天気予報シミュレーションにおける予測モデルの高度化や,シミュレーションの高速化に取り組む。
また,宇宙天気予報を将来的に活用できる人材の育成や宇宙天気予報士の制度化に向けた初期検討を共同で行うことで,地球圏や月,火星,惑星間空間での人類活動の安全確保に向けた課題解決に取り組む。
注1 国立大学法人東海国立大学機構:
本部 名古屋市千種区,機構長 松尾 清⼀。
注2 富士通(株):
本社 東京都港区,代表取締役社長 時田 隆仁。
注3 健康医療ライフデザイン統合研究教育拠点:
2023年4月改組により,健康医療データ統合研究教育拠点から名称変更。
注4 富士通Japan(株):
本社 東京都港区,代表取締役社長 砂田 敬之。
●問い合わせ先
国立大学法人東海国立大学機構
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