CAC,千葉大学病院およびメディエイドが共同で「医師間オンラインコンサルテーションシステム」の実証実験を開始
~ 症例に関する相談や紹介で,地域医療機関から専門病院等へのアクセスをより簡便かつ効率的に ~

2022-6-22

遠隔診療


(株)シーエーシー(以下CAC),千葉大学医学部附属病院(以下千葉大学病院)および(株)メディエイド(以下メディエイド)は共同で,地域医療機関の医師が大学病院等の医師に症例等の相談ができる「医師間オンラインコンサルテーションシステム」のPoC(Proof of Concept:実証実験)を開始した。

■背景と課題

市中病院等の地域医療機関の医師には,判断に迷う症例や治療が難しい症例などについて大学病院や専門病院の医師へ相談や患者を紹介する機会(コンサルテーション)がある。こうした相談や紹介は,患者が高度な専門性を必要とする疾患の診断や適切な治療を受けるために有効だが,十分に活用されるには課題もあるのが現状で。例えば,相談や紹介は多くの場合に電話でやり取りされるため,多忙な医師同士でのスケジュール調整が困難である。また,電話では相談内容の記録が残らず,過去の相談等の履歴を参照することも容易ではない。こうした制約は,最善の医療を目指す医師の負担を重くすることにもつながる。

■「医師間オンラインコンサルテーションシステム」のPoC

こうした課題を解決するため,CACとメディエイドは,オンラインにより地域医療機関の医師と大学病院や専門病院の医師が症例のコンサルテーションを行う「医師間オンラインコンサルテーションシステム」を提供,千葉大学病院で実証実験を開始した。
本システムを利用することで,医師同士が症例について容易にコンサルテーションを行うことが可能になる。

本システムは以下の機能を備えている。

1.コンサルテーション予約申込/受付
事前に予約申込/予約受付を行うため,医師の都合に左右されない確定した時間でのコンサルテーションが可能

2.オンライン面談/ファイル共有
セキュアな環境の下で,照会したい情報画像の事前共有や画面投影しながらのコンサルテーション実施が可能

3.コンサルテーション履歴の管理
過去のコンサルテーション履歴を遡り,症例のコンサルテーション結果の確認が可能

また,本システムは,医療機関の厳しいセキュリティ要件を満たすプラットフォームの必要性からメディエイドの医療従事者向けサービス「パレットライン」をベースにしているため,医師間のコンサルテーションはセキュアな環境の下で行われる。

図:「医師間オンラインコンサルテーションシステム」利用イメージ

図:「医師間オンラインコンサルテーションシステム」利用イメージ

 

本システムのPoCでは,千葉大学病院消化器内科と8つの地域医療機関で消化器疾患を対象に実施し,システムを利用した地域医療機関の紹介元医師へのアンケートによりシステムの有効性について評価を行い,相談や紹介の活用機会向上の可能性を検証する。

■今回の取り組みの社会的意義

本システムの提供により,現在の医師間のコンサルテーションに従来よりも利便性の高い仕組みを用意することで,地域医療機関の医師や患者の相談や紹介に対する物理的ハードル(例.紹介先の高度医療機関の場所が遠方である場合の患者の抵抗感等)・心理的ハードル(例.紹介先の医療機関で治療開始までにかかる時間への医師の懸念等)を下げ,高度かつ専門的な医療を必要とする患者に適時・適切な医療提供が行われる可能性を少しでも高められればと考えている。

CAC,千葉大学病院およびメディエイドは,本システムのPoC実施を皮切りに,今後,同様の課題を持つ全国の医療機関での利用も視野に入れ,患者に適時・適切な医療を提供するためのIT活用の取り組みに貢献していく。

 

●問い合わせ先
(株)シーエーシー
新規事業開発本部
TEL 03-6667-8038
E-mail:[email protected]
https://www.cac.co.jp/

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