エレクタ,千葉大学医学部附属病院において,高磁場1.5テスラMRIガイド下放射線治療システム「Elekta Unity MRリニアックシステム」日本初治療が開始
2021-12-20
千葉大学医学部附属病院のElekta Unity
エレクタ(株)は千葉大学医学部附属病院に導入された国内初の高磁場1.5テスラMRIガイド下放射線治療システム「Elekta Unity MRリニアックシステム」(以下,Elekta Unity)による国内初治療が12月14日に始まったことを発表した。
国内初となるこの日には,80代男性の腎臓がんに対する治療が行われた。
Elekta Unity導入で,がんを見ながら放射線治療をする新しい時代が到来
Elekta Unityは,画像診断で広く使用されている高磁場・高分解能な1.5テスラMRI(フィリップス社製)と,高精度デジタルリニアックが一体化した放射線治療機器。従来のCT画像による画像誘導放射線治療(IGRT)ではなく,高磁場MRIによって治療直前および照射中に患部を可視化できるため,リアルタイムでその日の腫瘍と重要臓器の位置や輪郭をより正確に把握して,日々の状況に適応させた照射が可能である。この結果,近接する正常組織や重要臓器への有害事象を抑えながら,がんの局所制御率を改善できる可能性がある。
また,随意・不随意運動をともなう軟部組織を実時間モニタリングできるため,腫瘍位置同定のためにマーカーを埋め込む必要がなくなり,患者の負担を軽減することができる。
Elekta Unityは2017年5月に世界で初めてオランダ・ユトレヒト大学医療センター(University Medical Center Utrecht)で治療が始まった。2021年10月時点で,世界27ヶ国で100台の導入が決定し,うち,37台がすでに治療に使われている。各施設におけるこれまでの治療症例は,日本でも5年生存率が低い膵臓がん,比較的低い肝臓がん,食道がんをはじめ,40種類以上のがんに及ぶ。
日本で初めてとなったElekta Unityの治療にあたった,千葉大学大学院医学研究院 副研究院長 画像診断・放射線腫瘍学 教授 宇野 隆氏は次のように述べている。「国内初となる本日の治療に向けて,今まで綿密に準備を重ねてきました。治療が無事開始できたことに安堵しています。本機は体内の動きを確実に見ながら,狭いマージンで照射ができるという特長があります。そのメリットを生かして,これまで放射線治療が難しかった消化管の近くにある腫瘍を始めとする様々ながんの治療に積極的に取り組んでいきたいと考えています。」
また,Elekta Unityを納入したエレクタ(株)代表取締役社長 チャールズ・シャーネン氏は記念すべき国内初治療に際し,以下のように述べている。「日本で初めてとなるElekta Unityの治療が千葉大学医学部附属病院で始まり,国際的にもスタンダードになりつつある,革新的なテクノロジーによる高精度放射線治療を日本の患者さんにもお届けできることを大変嬉しく思います。弊社では今後とも放射線治療に携わる皆さまと連携し,特に今まで治療が難しかったがんに対する放射線治療の可能性を広げることで,治療に取り組む患者さんに貢献していきたいと考えています。」
千葉大学医学部附属病院は850床を有する特定機能病院であり,がん診療連携拠点病院に指定されている。年間750症例以上の放射線治療を行い,日本の放射線治療をリードしてきた日本トップクラスの医療機関。今後Elekta Unityの導入により,高精度放射線治療をさらに強化するとともに,被ばくがより少なく,患者に優しい個別化治療を行っていく。
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