富士フイルム和光純薬,新型コロナウイルス「N501Y」「E484K」変異検出キット新発売
変異型の新型コロナウイルスの高感度検出を実現 イギリス型,南アフリカ型,ブラジル型ウイルスを検出
2021-3-29
新型コロナウイルスN501Y変異検出キット
富士フイルム和光純薬(株)は,ワンステップ RT-qPCR法※を用いて変異型の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を高感度に検出する「N501Y変異検出キット」および「E484K変異検出キット」(いずれも研究用試薬)を3月29日より発売する。
世界的に感染が拡大している新型コロナウイルスは,各国で複数の変異型ウイルスが確認されており,その感染力やワクチンの効果との関係性が懸念されている。日本においては特にイギリス,南アフリカおよびブラジル型が徐々に広がりを見せている。これらの変異型ウイルスは感染力が高く,また,再感染のリスクが高まったり,ワクチンの効果が低下する恐れがあると指摘されており,感染経路の特定と早急な封じ込めが必要とされている。
今回発売する「N501Y変異検出キット」と「E484K変異検出キット」は,ワンステップ RT-qPCR法を用いて変異型の新型コロナウイルスを検出する遺伝子検査キット。「N501Y変異検出キット」は,イギリス型を含む複数の変異型ウイルスに共通する遺伝子を検出する。「E484K変異検出キット」は,イギリス型を除く南アフリカ型やブラジル型の変異型ウイルスに共通する遺伝子を検出する。新型コロナウイルスの陽性検体から抽出したRNAに「N501Y変異検出キット」と「E484K変異検出キット」を用いることで,従来型,イギリス型,南アフリカ型またはブラジル型のいずれに該当するかを判定できる。
<変異型ウイルス判定のイメージ(+…陽性判定,−…陰性判定)>
本キットは同社独自の設計手法を用いることにより,ワンステップ RT-qPCR法で検出が難しいとされているE484K遺伝子変異も容易に検出できる。本技術はさまざまな変異型ウイルスの検出に応用可能であり,今後新たな変異型ウイルスが発生した場合でも,迅速に対応できる。
同社は,2020年4月から新型コロナウイルス用遺伝子検出キットを販売しており,行政検査などに使用されている。今後も,「次の科学のチカラとなり,人々の幸せの源を創造する」という企業理念のもと,新型コロナウイルス感染症の実態調査や感染拡大の防止対策に貢献する。
※ RNAを鋳型にしたDNA増幅反応で,同一のチューブ内で逆転写反応とDNA増幅反応を連続的に行う反応。
●問い合わせ先
富士フイルム和光純薬(株)営業推進課
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