相良病院,リスクが高い人のための定額検診コース新設〜「遺伝性乳癌卵巣癌症候群」と診断され,がんを発症していない〜

2021-3-12


社会医療法人博愛会 相良病院は「 遺伝性乳癌卵巣癌症候群」と診断されたがん未発症の人に対し料金を抑えた定額検診コースを4月より新設することとした。

・乳がんの現状
2人に1人が生涯で一度はがんを発症するといわれている。
現在,日本で1年間に新たに乳がんと診断される患者は約9万人程度。がんは様々な要因によって発生するといわれているが,大きく分けて「遺伝要因」と「環境要因」が関わっており,乳がんまたは卵巣がんの5.10%は,「遺伝要因」によるものと言われている。
この遺伝要因を調べる検査が,2020年4月に保険適応となった。

・乳がんのリスクに応じた検診内容
遺伝子検査にて遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)と診断された人は,若年層でも乳がん発症リスクがあるため,25歳から定期的な検査を開始する。またマンモグラフィや超音波検査に加え,より感度の高い乳房造影MRI検査を行うことが推奨されている。

・HBOCでがん既発症者は保険適応,HBOCでがん未発症者は保険適応外
「乳がんまたは卵巣がんを発症したことがありかつHBOCと診断された方(既発症者)」の検診としての乳房造影MRI検査やリスク低減手術(乳房切除術や卵管卵巣摘出術)は保険適応となっている。
一方,発症していない人は保険適応ではないため,すべての検査等(遺伝学的検査,検診,リスク低減手術)が自費での負担となる。
未発症の人にとってリスクに応じたより精度の高い検診を受けることが,早期発見のため有益であることが分かっているが,費用負担がひとつのハードルとなっている。

・個別化検診コースについて
このような状況を受け,同法人は未発症の人に対し,4月1日より料金を抑えた定額の「個別化検診コース」を新設することとした。その人に応じた検診内容を組み合わせ,継続的に重点的な検診を受けてもらう事で,がんの早期発見と早期治療に繋げることを目的としている。

検診コース

検診コース

 

今回の検診コース新設により「遺伝性乳癌卵巣癌症候群の方」への継続的検診の定着と,将来の保険適応の一助となるよう取り組んでいく。

 

●問い合わせ先
社会医療法人博愛会 相良病院
事業本部 企画広報課
TEL:099-224-1811(月〜金 9:00〜17:30)
Mail : [email protected]
http://www.sagara.or.jp


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