NECソリューションイノベータ,経済産業省「認知症共生社会に向けた製品・サービスの効果検証事業」に採択
- VRを活用したオンライン旅行サービスによるQOL向上を検証 -

2020-10-21

介護

NEC


NECソリューションイノベータ(株)は,経済産業省「サービス産業強化事業費補助金(認知症共生社会に向けた製品・サービスの効果検証事業)」に採択された。NECソリューションイノベータ,(株)エムダブルエス日高,(株)シアン,(株)ハコスコ,(株)トータルブレインケアの5社が協力して,検証に取り組み,高齢者向けのオンライン旅行サービスの社会実装を目指す。

今回採択された事業(以下,本事業)は,QOLの向上によるインフォーマルケアコスト(注1)の低減をテーマに,介護事業者を通じて,介護サービス利用者である高齢者や認知症の方にVRを用いたオンライン旅行サービスを提供し,QOL向上の効果などを検証する。本事業は,認知症になっても自分らしく暮らし続けられる「共生」を目指す取り組みの一環として実施されるもので,効果検証事業を対象に補助が行われる。

●背景

現在,日本における65歳以上の高齢者の割合は28%を超え,日本社会は超高齢社会に突入している。高齢化の進行とともに,認知症の方の数も増加の一途をたどり,2030年には700万人を超えると言われている(注2)。このような中,旅行を趣味や生きがいとする高齢者は多いものの,高齢化に伴う身体・認知機能の低下により,高齢者にとって旅行に出かけるハードルが高くなっている現状がある。
こうした状況を受け,高齢者や認知症の方が,介護施設等で安全・安心な方法によって旅行を体験することで,コミュニケーション活性化とQOLの向上,更には介助者のインフォーマルケア負担軽減につながるという仮説のもと,経済産業省の効果検証事業に応募し,採択された。

●本事業の概要

本事業では,介護事業者を通じて,高齢者や認知症の方向けにより付加価値を付けた保険外サービスとして,VRオンライン旅行サービスを提供する。介護事業者を通じて,信頼できる介護スタッフのサービスのもと,旅行計画から旅行後の振り返りまで一連の旅行体験に参加することで,参加者同士や介護スタッフとのコミュニケーションの活性化を図る。介護事業者は,ツアーガイドの案内に沿って,オンラインで旅先を散策するプログラムを介護施設内で実施し,NECソリューションイノベータ,エムダブルエス日高,シアン,ハコスコ,トータルブレインケアの5社とともにその効果を検証する。

<本事業で検証する効果>
・安全・安心なVRオンライン旅行サービスへの参加
・参加者同士や介護スタッフとのコミュニケーション活性化による参加者のQOL向上
・旅行体験を通じた,高齢者・認知症の方と家族との新たなコミュニケーションによるインフォーマルケアコストの低減
・介護事業者のサービス向上

<実施体制>
NECソリューションイノベータ:全体統括,ハードウェアおよびシステムの提供と運営
エムダブルエス日高:介護施設でVRオンライン旅行を行う際の手順,利用者への案内方法などを定型化
シアン:ドローンとVRゴーグルを組み合わせたリアルタイムバーチャルツアー「空力車」を用いたコンテンツ作成
ハコスコ:360度VR映像の多人数同時再生ツール「ハコスコナビ」を用いたコンテンツ配信
トータルブレインケア:認知機能別トレーニングツール「CogEvo」を用いたサービス利用者の参加前調査から参加後の調査・分析(効果の評価)

各観光地との企画調整・検討や旅行コンテンツへの知見提供を(株)Ridilover(リディラバ)が行う。また,本事業の実証にあたってはパナケア真中(株)と社会福祉法人善光会が介護事業者として,北海道釧路市,沖縄県南城市が旅行コンテンツ撮影地として協力する。

(注1)インフォーマルケア(家族等が無償で実施するケア(介護))をコスト換算したもの
(注2)総務省統計および「内閣府 平成29年版高齢社会白書」

 

●問い合わせ先
NECソリューションイノベータ
イノベーション推進本部
E-Mail:[email protected]

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