オリンパス,顕微鏡のように細胞レベルまで観察ができる超拡大内視鏡Endocyto(エンドサイト)を発売
〜最大520倍観察を実現〜
2017-10-11
Endocyto先端
オリンパス(株)は,最大520倍の光学拡大機能が付くことでリアルタイムに細胞レベルまで観察ができる超拡大内視鏡「Endocyto」の2機種(上部消化管用,大腸用)を,2018年2月に日本国内で発売する。
消化器内視鏡とは,上部消化管(食道・胃・十二指腸)や大腸内を直接観察し,がんなど病変の検査や治療に用いられる機器。同社従来品※1では約80倍の拡大観察が可能であったが,本製品は,最大520倍の光学拡大機能がついており,細胞の核まで観察することが可能※2。手元操作部のズームレバーを動かすことで顕微鏡レベルの高倍率・高精細な画像を得ることができる。内視鏡検査時にリアルタイムに細胞レベルでの生体内観察ができるため,診断精度の向上により不要な生検の省略可能性など新たな価値が期待できる。また現在,本内視鏡を用いた自動診断技術の共同研究※3も進められている。
なお,本製品は10月12日(木)から15日(日)まで福岡で開催される,第94回日本消化器内視鏡学会総会(会長:金沢医科大学 消化器内視鏡学 伊藤 透 主任教授)に出展する。
※1 拡大機能が付いた消化器内視鏡「GIF-H290Z」「CF-HQ290Z」
※2 適切な薬剤で細胞核を染色した後に観察した場合
※3 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(Japanese Agency for Medical Research and Development)助成のもと,昭和大学横浜市北部病院・名古屋大学大学院情報科学研究科・サイバネットシステム株式会社にて医工産連携での共同研究を実施中
●主な特長
1. 最大520倍の光学拡大機能により,細胞レベルでの生体内観察を実現
内視鏡先端に高精度で加工難易度の高いレンズを複数枚,さらにEDレンズ※4を使用することで,最大520倍の光学拡大が可能となった。粘膜を染色することで細胞の核まで観ることができ,リアルタイムに生体内の細胞が観察できる。高倍率・高精細な画像が,診断精度の向上に貢献する。
通常,内視鏡検査時にがんなど病変が疑われる箇所があった場合,内視鏡処置具で組織の一部を切り取り,病理検査を経て確定診断が行われている。本製品を使用することで,組織を傷つけずにその場で拡大画像から確定診断を行える可能性も期待される。
※4 特殊低分散ガラスを使用したレンズ
2. 手元操作部のレバー操作のみで,通常観察から拡大観察,Endocyto観察まで可能に
医療従事者にとっての使い易さに考慮し,内視鏡手元操作部にあるズームレバーを操作するだけで,通常観察から超拡大観察まで行うことができる仕様とした。同社従来品も手元のズームレバー操作で拡大観察が可能だったので,今までと同様の感覚で使用できる。また,NBIを用いた観察にも対応している。
●問い合わせ先
オリンパス(株)
内視鏡お客様相談センター
TEL 0120-41-7149
http://www.olympus.co.jp