島津製作所,優れた分析性能と高い操作性を両立させた分光蛍光光度計「RF-6000」発売
2015-3-12
分光蛍光光度計「RF-6000」
島津製作所は,これまで培ってきた技術を生かした豊富なアプリケーションや,新しい制御用のソフトウェアLabSolutions RFによってユーザーをサポートし,クラス最高レベルの感度で安定した分析を可能にした分光蛍光光度計「RF-6000」を発売した。
分光蛍光光度計は,発光現象を利用して物質の定性や定量を行う装置。近年,従来までの生化学や医薬品分野における研究開発や品質管理だけでなく,有機ELデバイスの発光効率の向上や長寿命化,人工光合成や有機太陽電池の変換効率の研究,DNAを検出するための蛍光プローブの研究といった分野でも需要が拡大してきている。
本製品は,クラス最高レベルである350:1の S/N比※を実現しており,高感度な分析を安定して行うことができる。また,新しい制御用ソフトウェアLabSolutions RFを導入したことで操作性が向上しており,豊富なアプリケーションやオプションで様々な分析をサポートする。
※S/N比…信号(Signal)とノイズ(Noise)の比。S/N比が高いほどノイズの影響が低減され,小さなピークまで測定できる。
●開発の背景
分光蛍光光度計は,ライフサイエンス,化学,環境,電気・電子など,様々な分野で用いられており,品質管理のようなルーチンの分析から先進的な研究開発まで,用途も多岐にわたる。そのため,感度や再現性といった分析の基本性能や操作性が重要であると同時に,多種多様なサンプルの分析に対応でき,拡張性にも優れた装置が求められている。
RF-6000は,従来よりも高い輝度の光源を採用したことで,クラス最高レベルであるS/N比350:1を実現した。また,キーコンポーネントの1つであるキセノンアークランプの寿命は前機種の約4倍となる2000時間程度まで延び,検出器の測定波長範囲も広がったことで,高い精度で安定した分析が可能。加えて,試料室の大型化や,新しい制御用ソフトウェアLabSolutions RFの導入,豊富なアプリケーションやオプションなどにより,さらに幅広い顧客のニーズに応える。
●新製品の特長
1.前機種比2倍以上の感度を実現,3次元測定のスピードは3倍に向上,光源は4倍の長寿命化
本製品は内部設計の最適化により,クラス最高レベルのS/N比350:1を実現し,前機種の2倍以上の感度で分析が可能。加えて,3次元測定のスピードも約3倍になった。オプションの微量測定用セルを利用すると,さらに低濃度かつ少量のサンプルも分析することができる。光源には,高い安定性を持つキセノンアークランプを搭載している。点灯寿命は前機種の約4倍となる2000時間程度まで延び,ランニングコストの低減にも貢献する。
2.標準で900nmの長波長領域まで測定可能,アプリケーションもさらに充実
標準で測定できる波長範囲が広がり,前機種では測定ができなかった900nmまでの蛍光スペクトルを得ることができるようになった。従来から行われているクロロフィルの分析では,定量の下限値を前機種から1桁改善した。さらに,同社は,従来までの用途だけでなく,新しい分野に対応するアプリケーションをさらに充実させた。例えば,発光材料の効率評価のための量子収率・量子効率の測定や,人工光合成を解明するための試料回収可能な低温測定,食品などの産地判定手法の探索など,当社の高い分析技術を生かした豊富なアプリケーションで,ルーチン分析から専門的な分析まで,顧客の様々な分析をサポートする。
3.新しい制御用ソフトウェアや1.5倍の大きさになった試料室による使いやすさの追求
新しい制御用ソフトウェアLabSolutions RFを導入したことで,一連の分析や装置の妥当性確認などをより簡単に行うことが可能となった。ランプの点灯寿命の経過やオプションの認識状況,装置の動作状況などを常に表示できるようになり,より安心して使用できる。また,補正したスペクトルをリアルタイムで得られる機能も標準搭載し,他の分析装置で得たスペクトルとの比較がより正確に行えるようになった。さらに,本体デザインを一新したことで,試料室の大きさが前機種の約1.5倍になった。搭載できるオプションの幅も広げており,ハードとソフトの両面で安全性と使いやすさを追求している。
●価格
265万円~(ソフトウェア込み,税別)
●問い合わせ先
(株)島津製作所 広報室
TEL 075-823-1110 FAX 075-823-1348
http://www.shimadzu.co.jp/