カナリア（株）は，これまでのパン・チルトに加え，ロールを追加した3軸の雲台を使用した手術撮影システムを開発した。

●3軸雲台による3D制御

カナリアの手術撮影システムの特徴は，3軸によるビデオカメラのリモート制御である。
映像業界の場合は，カメラの位置はまず最初に決められ一番良いポジションで撮影されるが，医療現場で行われる撮影（手術撮影）の場合には必ずしも良いポジションから撮影できるわけではない。
まずは手術に関わる医師を含めるスタッフ，そして手術に必要な機器などが手術台の周りに優先的に配置され，ほとんどが医療機器と機器の間から撮影するといったケースになる。
そこで従来の2軸（パン・チルト）による制御だと撮影映像が斜めになってしまい，非常に見づらい映像になる。3軸目のロールを追加することにより，いかなる撮影ポジションからでも斜めになった映像をまっすぐに修正することができる。

●多種のビデオカメラに対応

1kg以下のカメラであれば，雲台に搭載可能。（一部カメラの大きさにより搭載できない場合がある）
またVISCAやLANCプロトコルに対応した民生用（市販）ビデオカメラ・産業用のカメラブロックなどを利用すれば，カメラ制御に対応させることができる。HDVカメラを利用すれば，ハイビジョンでの撮影も可能になる。

●軸中心がカメラレンズの中心

カナリアの3軸雲台は軸の中心がカメラのレンズの中心にある。それによってカメラを回転させた場合も映像の中心で回転するので，位置調整が容易にできる。

●シンプル，コンパクトなリモコン

カナリアの3軸雲台用の標準のリモコンは，幅約160mmと可能な限り小さくまとめている。また医療現場での利用を考えて標準仕様では一切不要な機能を取り除いている。映像の撮影現場と違い医療現場の撮影は頻繁に位置を変更したり，カメラの設定を変更することがない。また余計なものを取り除くことによって，誤操作を防ぐこともできる。
カメラ制御を利用する場合は，必要に応じてボタンを追加する。

●シンプルだから導入が簡単

既存の無影燈などにも取り付けることができるので，簡単に手術システムに組み込むことができる。また配線などもシンプルなので現場の邪魔になったりすることはない。

●関連URL
http://www.canaria-net.co.jp/solution/medical/medical01.html
http://www.canaria-net.co.jp/products/accessory/med_arm.html