病室・離床時のセンサー連携見守りイメージ

NECは，院内の音声通信システムと看護業務で用いられるナースコールシステムを連携させ，看護師が利用するスマートフォン^（注1）へ患者の情報や病室等の映像をタイムリーに提供^（注2）できる新製品「Application Platform for Healthcare」を9月26日より販売開始する。

新製品はIAサーバ「Express5800」と，仮想化基盤上で動作するOS，データベース，およびソフトウェアを組み合わせたもので，音声通信システム基盤として「UNIVERGE SV9500」，ナースコールシステム^（注3）を利用しているユーザ向けに，これらを連携させるNECの統合型システム「NEC Solution Platforms」の新たなラインアップとして販売する。
なお新製品は，ナースコールシステムと連携しスマートフォンへの映像提供ができる業界初^（注4）の製品となる。

NECは，特定業種･業務向けに最適なシステム要素を垂直統合で提供する製品群「NEC Solution Platforms」を提供することで，ビジネスや暮らし，社会におけるICTの高度化ならびに安心で効率的なシステムを支えていく。

●背景

昨今，日本の医療機関では，看護師が慢性的に人手不足の状態にあり，看護師一人にかかる負荷が増大している。これらの状況から，ICTの活用による看護に関わる業務の効率化を看護師への負荷軽減，安心な看護サービスの充実が医療機関の課題となっている。 新製品は，看護師が利用するスマートフォンへ患者の情報・病室等の映像をタイムリーに提供することで，看護業務で重要となる患者の状況把握までの時間を短縮し，看護ケアの質向上を実現するもの。これにより医療機関は安全で効率的な医療サービスの環境を整備し，安心な看護サービスの充実が可能となる。

●特長

1．ナースコールと連動した映像提供による迅速かつ的確な対応を実現

従来のPHSによるシステムでは困難であったナースコール呼び出し元の病床の映像データを看護師のスマートフォンへ表示^（注1）することが可能。従来のナースコールを受けて病室へ駆けつけて対応していた業務を，ナースコールを受けた時点で映像と患者情報で現場の状況を把握し，必要情報の収集や連絡を事前に行い，病室へ駆けつけるといった対応が可能になる。これにより，現場の状況を判断する時間の短縮や，医師への連絡や医療機器の準備など迅速かつ適切な初動対応を支援する。

2．病室の各種センサーと連携したみまもり

病状により，みまもりが必要な患者において，病室の各種センサーと連携することで，離床などの予期せぬ行動をした時に，自動でスマートフォンを呼び出し現場の映像と患者情報を通知する。従来はセンサーからの通知の都度，現場に駆けつけての状況確認が必要であったが，事前に状況を的確に確認できることで，看護師の業務効率化や負担軽減に貢献する。

3．夜間外来対応時のドアホン連携による遠隔開錠・施錠

夜間や休日の緊急外来において，ドアホンと連携させることで，呼び出し時に看護師のスマートフォンへ来訪者の映像を表示する。従来は来訪者の確認と開錠のため，ナースステーションに戻り対応していた業務が，その場でスマートフォンから可能となる。これにより，看護師が移動する距離（看護動線）の短縮と負担軽減につながる。

^{（注1）看護師の利用する業務用のスマートフォン。利用には無線LAN環境が必要。
（注2）映像・患者情報はナースコールシステムからスマートフォンへ通知する。映像・患者情報はスマートフォンには保存されない。
（注3）アイホン社のナースコールシステム「Vi-nurse」に対応。この他のナースコールシステムにも順次対応予定。
（注4）ナースコールとスマートフォンの連携において，映像をスマートフォンへリアルタイムに出力するシステムとして業界初。2014年9月25日時点，NEC調べ。}