ゲルベ・ジャパン,「リピオドール480 注10mL」肝動脈化学塞栓療法(TACE)に対する保険適用追加

2013-11-25

医薬品


ゲルベ・ジャパン(株)は,「リピオドール480 注10mL」(一般名:ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル注射液,以下 リピオドール)が「ファルモルビシン注射用10mg,同注射用50mg」(一般名:エピルビシン塩酸塩,以下 ファルモルビシン,ファイザー)を使用した肝癌に対する肝動脈化学塞栓療法(以下 TACE(※1))に対して11月22日に保険適用となったことを発表した。

リピオドールは既に本年9月13日に「医薬品又は医療機器の調製」の効能・効果,及び用法・用量についての承認を取得しており(※詳細は下部に記載),今回,ファルモルビシンにリピオドールを使用した「肝癌に対する肝動脈化学塞栓療法(TACE)」の用法・用量が追加承認されたことに伴い,リピオドールのTACEについての保険適用が追加された。

TACEは,抗癌剤をリピオドールで混合調製した液をカテーテル経由で肝動脈に投与する肝細胞癌に対する治療法。TACEは,1970年代に日本人医師によって考案された塞栓物質に抗癌剤を組み合わせたカテーテル治療方法に由来し,1980年代にはリピオドールを肝動脈内に注入すると肝細胞癌に選択的に滞留す
ることに着目し,世界で初めてリピオドールと抗癌剤を混合して肝細胞癌患者の肝動脈内に投与したことを報告した。以来,リピオドールを使用したTACEは適応外使用ではあったが,日本発の治療方法として主に切除不能肝細胞癌患者などを中心に低侵襲な治療方法として広く行われてきた。

日本における肝細胞癌の新規罹患患者数は年間約45,000人と推計されており,その内,TACEの対象となる新規切除不能肝細胞癌罹患者数は,約3割と考えられている(※2)。肝細胞癌に対するリピオドールを使用したTACEは,切除不能肝細胞癌に対する標準的治療法の1つではあるが,長年にわたり適応外治療であったため,学会などより多数の要望書が提出され,患者様や多くの医療従事者から保険適用が待ち望まれていた。

(※1)TACE:transcatheter arterial chemo-embolization
動脈内に挿入されたカテーテルにより薬剤を動脈内に投与する化学塞栓療法

(※2)Japanese Journal of Clinical Oncology 2013;43(3)328-336,肝臓48
巻3号117-140(2007),肝臓51巻8号460-484(2010)

 

■今回改訂された効能・効果,及び用法・用量に関連する記載
(今回改訂部分は『』(二重かぎかっこ))
【効能・効果】
リンパ系撮影,子宮卵管撮影,医薬品又は医療機器の調製

[効能・効果に関連する使用上の注意]
調製用剤として,下記の『医薬品又は』医療機器に用いる。

『注射用エピルビシン塩酸塩』
血管内塞栓促進用補綴材 ヒストアクリル

【用法・用量】

1.リンパ系撮影
本剤を皮膚直下の末梢リンパ管内に注入する。用量はヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルとして,通常,上腕片側5~6mL,下肢片側10mLである。注入速度は毎分0.3~0.5mL程度が望ましい。

2.子宮卵管撮影
用時医師が定める。ただしヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルとして,通常,5~8mLを200mmHg以下の圧で注入することを原則とし,症状により適宜増減する。

3.医薬品又は医療機器の調製
本剤を適量とり,医薬品又は医療機器の調製に用いる。

[用法・用量に関連する使用上の注意]
調製用剤として用いる場合には,下記の『医薬品又は』医療機器の添付文書を必ず確認すること。
『注射用エピルビシン塩酸塩』
血管内塞栓促進用補綴材 ヒストアクリル

 

●問い合わせ先
ゲルベ・ジャパン(株)
代表取締役社長 スティーヴン ブライエル
TEL 03-3288-5421(代表)
E-mail: [email protected]
http://www.guerbet.co.jp/

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