GEヘルスケア・ジャパン,高い安全性と利便性を誇る米バイタル・サイン社製麻酔回路の取り扱いを開始
~ 医療用消耗品事業を拡充,国内トップの麻酔器群と消耗品を一括提供 ~
2012-12-20
回路の中央に障壁を設けて吸気と呼気を分離
医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー,GEヘルスケア・ジャパン(株)は12月20日(木),麻酔器および人工呼吸器用の呼吸回路「Limb-O(リンボー)麻酔回路(VS)」を発売,さらなる麻酔管理に向けた取り組みを強化する。
Limb-O麻酔回路(VS)は,GEヘルスケアが2008年に買収した米医療機器・器具大手バイタル・サイン社製の麻酔・呼吸回路で,米国では約80%のトップシェアを有する定番のディスポーザブル品(GEヘルスケア調査)。最大の特長は,1本の回路内を隔壁で吸気と呼気の2つに分けたシンプルな構造を採用していることである。
国内唯一の独自構造と軽量化で効率的な麻酔管理を実現するLimb-O麻酔回路(VS)
現在の回路はチューブ(蛇管)が呼気・吸気用にそれぞれ1本ずつあるタイプか,チューブの内側に細い管を通して呼気用と吸気用に2重化したタイプが主流だが,チューブが呼気用と吸気用に2本ある場合,手術中に麻酔器を移動する際に支障がでたり,誤接続につながったりする可能性があった。一方,2重化したタイプはチューブが重くなるため,手術中の取り回しに難があるほか,チューブがねじれてガスが詰まるキンクが発生したり,回路の自重によって外れたりする場合があった。
Limb-O麻酔回路(VS)は,回路の中央に隔壁を設けて呼気用と吸気用に2分割したシンプルな構造を採用するとともに,重さを106グラム(1000 mmの場合)と従来の二本回路に比べて50%以上軽量化することでこれらの課題を克服。キンクや回路外れ,誤接続など術中に発生しうる不具合を低減することで患者さんのリスクを軽減するとともに,術中の取り回しのしやすさを高め,より効率的な麻酔管理を実現する。また,この2分割構造を採用することで使用後に廃棄されるゴミの量が二本回路に比べて最大3割削減されるなど,環境にも配慮した製品。
市場環境・販売戦略
同社は現在,「エスパイア」「エイシス」「アバンス」「エスティバ」の4ブランド体制で,エントリーモデルから高性能機種まで各医療機関のニーズに最適な麻酔器を展開しており,現在約6割と国内トップの市場シェアを有している(出典:矢野経済研究所)。同社は本回路の取り扱い開始に伴い,医療用消耗品の販売を手がける事業部門を拡充し,国内トップシェアの麻酔器群とディスポーザブル回路を一括提供する体制を確立。全社一体となって,麻酔管理に向けた取り組みを強化する。
同社は今回市場投入するLimb-O麻酔回路(VS)を本年11月に発売した,酸素・麻酔剤の濃度を自動調整し安全性を高めるEtC(エンドタイダルコントロール)機能搭載の全身麻酔器「エイシスEtC」に続く麻酔関連品の第2弾として,現在当社製麻酔器を導入している手術室やICUを主対象に販売していくとともに,機器と回路を一括提供できる利便性を生かして積極的な新規顧客開拓を図り,回路市場においてもリーディングカンパニーとなることを狙う。
同社は今後,これまで麻酔器で培ってきた経験と専門性を生かして,機器と回路をはじめとするディスポーザブル品を包括提供することで,「安心(Anshin)で安全(Anzen)なアネスセジア(Anesthesia:麻酔)」の「トリプルA」の浸透を図り,「人にやさしい,社会にやさしい」医療の実現に貢献することを目指す。
●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
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