所見作成支援ソフトウェア EV Report(PSP)
画像診断レポートが適切に活用されるためのシステム構築

2020-7-8

PSP

診療支援


はじめに

画像診断レポートが閲覧されなかったことによる医療事故は,近年,特に大きく取り上げられており,社会的な問題と言える。この問題に対して,2019年12月の厚生労働省医療安全推進室事務連絡にて,「医療安全に資する病院情報システムの機能を普及させるための施策に関する研究」の報告書が周知された。この報告書には,「画像診断レポート,病理診断レポート見落とし防止対策システムの機能仕様項目」がリスト化されており,画像診断レポートにかかわるシステムメーカーとして,重要なものと位置付けている。

未読防止のためのレポートシステム構築

PSPは,早い時期からこの問題に取り組み,システム面からお手伝いさせていただいてきた。施設の規模や考え方によるが,概要としては次のような運用になる。
まず,読影医は画像診断レポートの作成時に,重要な所見に対して文字の色付けや重要フラグを付けることで,確実に読まれるよう工夫を施すことができる。次に,依頼医が画像診断レポートを閲覧する画面では,重要フラグや診断内容がわかりやすく表示される。そして,依頼医はすべてを確認し終えたら,画像診断レポートを確かに読んだことを登録する。閲覧状況は,読影医の側でも確認することが可能である(図1)。
また,常駐型のポップアップ通知システムも提供している。この通知システムからお知らせすることで,依頼医に閲覧すべき画像診断レポートに気付いてもらおうという考えである。通知システムの一覧で,未読のままの画像診断レポートの件数や内容を確認し,直接画像診断レポートを呼び出すことができる。同様に,科の代表者や医療安全担当者は,科全体や院内全体の画像診断レポートの閲覧状態を確認して,担当医に閲覧を促すのに役立つ(図2)。

図1 所見記入画面・閲覧画面例

図1 所見記入画面・閲覧画面例

 

図2 ポップアップ通知・一覧画面例

図2 ポップアップ通知・一覧画面例

 

施設ごとの取り組み事例

施設ごとのご要望にも柔軟に対応してきた。例えば,「患者さんへの説明状況をチェック,集計したい」「再来院予定のない患者さんへのレポート郵送をチェックしたい」というご要望を受け,確認登録用のボタンのカスタマイズや増設を行っている。
また,時期や担当者を数段階に分けて,未読状況を確認し,漏れを拾い上げるといった運用を採用している場合もある。各業務の手間を減らすため,未読レポート検索用のプリセットを作成し,そのまま印刷可能なリストとして提供している(図3)。
さらに,先述の「機能仕様項目」でも挙げられているような,患者さんの再来院タイミングでの再通知や,転科などに対応した通知の転送も可能である。

図3 運用例

図3 運用例

 

おわりに

PSPは,画像診断レポートを適切に活用していただくために,利用される施設の運用に少しでもなじむようなシステムを構築し,依頼医側も読影医側もできるだけ手間をかけることなく,業務をしていただけるように尽力している。これからも,連携するシステムメーカーと協力し,せっかく記載された画像診断レポートが,未読のままで終わらないためのお手伝いができるように取り組んでいく所存である。

 

●問い合わせ先
PSP株式会社 販売促進部
TEL 03-4346-3180
URL www.psp.co.jp
E-mail [email protected]

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